米政府は、2020年3月に新型コロナウイルスが流行し始めたことを受け、国民の学生ローン返済義務を一時停止。だがこの救済措置は、来年1月31日に終わりを迎える。
ウォーレンは他議員とともに、1人5万ドル(約570万円)分の学生ローン帳消しをバイデン大統領に求めている。民主党議員が作成した拘束力のない決議案では、約3600万人の学生ローンの80%を帳消しとする大統領令を出すことを提案している。
ウォーレンは最近、インサイド・ハイアー・エド(Inside Higher ED)とのインタビューで、この問題に熱意を持って取り組んでいる理由を説明した。
「高等教育の負担はここ数十年で、納税者から家庭へと移行してきた。子どもを大学に送る経済的余裕があり、子どもが借金をせずに卒業できる家庭はこうしたリソースを持たない家庭よりも、次の世代をより速く遠くへと前進させてきた。問題の中核にあるこの不平等こそが、私がこの議論に引き込まれた理由だ」
つまりウォーレンは、米国で広がる貧富の差の主要因の一つが学生ローンにあると考えている。裕福な家庭は高騰する高等教育費用を工面する経済力があるが、恵まれない家庭は負債によって減速させられる。
ウォーレンはまた、学生ローン利用の傾向が有色人種の間で不均衡に高いことを示すデータに言及した。米ブランダイス大学の資産・社会政策研究所によると、大学入学後20年の時点での学生ローン未払い率は白人で6%だが、黒人では95%に上っている。
バイデンは学生ローンを帳消しにできる法的権限が大統領にあるかどうか分からないとしているが、ウォーレンはバイデンが「一筆走らせる」だけでそれが可能だと主張。大統領に立候補していた際には、ハーバード大学法科大学院の法律サービスセンターから、行政機関による債務の帳消しは法的に可能だとの保証を得ていた。
ウォーレンは「学生ローンは、私たちの国としての在り方について深い見識を持たせてくれるものだ」と指摘。「真の変化を今すぐ起こす必要がある」と訴えた。