ピンタレストで500万人以上のフォロワーを持つインフルエンサーのクリスティン・マルティネス(Christine Martinez)は、9月に同社を相手取った訴訟を起こし、契約違反やアイデアの盗用、不当な利益、不公正なビジネス慣行を主張した。彼女は、ピンタレストの共同創業者のベン・シルバーマンとポール・シアラが、ショッピングアプリからSNS事業に焦点を移していた2009年に、同社を軌道に乗せるのを手伝ったと主張している。
クリスティン・マルティネス(Getty Images)
ピンタレストは2019年に上場し、パンデミックの追い風を受けて利用者が増加したことから、株価は上昇している。シルバーマンは現在、同社のCEOを務めており、シアラは会社が始まってすぐに退職していたが、2人とも10億ドル(約1140億円)以上の同社の株式を保有している。
ピンタレストは、カリフォルニア州高等裁判所に提出した新たな訴訟書類の中で、マルティネスがこの問題を提起するのに時間がかかりすぎたため、彼女の請求が時効だと主張し、却下を求めている。マルティネスは、どの程度の額を請求しようとしているかを明らかにしていないが、シルバーマンやシアラと同程度の持ち分を主張するのであれば、10億ドルを超えることになる。
マルティネスがなぜ10年以上も経ってから裁判を起こしたのかは不明だが、ピンタレストの関係者は、彼女のことをほとんど覚えていないと述べている。また、過去に報道されたニュースで、彼女は共同創業者として記載されておらず、2012年に彼女が出版したピンタレストで成功するための本「The Complete Idiot’s Guide to Pinterest Marketing」でも、自身のことを「アーリーアダプター」としか表現していなかった。
マルティネスとピンタレストの戦いは、いくつかの点で複雑だ。彼女が共同創業者だったかどうかは別として、彼女とシルバーマンがかつて友人であったことは明らかで、一部の報道によると、マルティネスはシルバーマンの結婚パーティーに参加するほど親密だったという。
さらに、ピンタレストは昨年、複数の従業員から、女性スタッフや有色人種を不当に扱っているとの苦情を受けていた。同社は先月、社内の多様性に関する取り組みに5000万ドルを費やすことを約束し、株主から起こされた訴訟を終結させていた。
2020年に同社は、人種や性別による差別を主張して訴訟を起こしていた元COOのフランソワーズ・ブローガーに2250万ドルを支払うことで合意した。