コロナ禍で女性の性欲が減退、長期間のストレスが健康全般に影響

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また、オウエンズ博士によれば、回答者の56%が、パンデミックの発生以降、何らかの形で月経周期の変化を経験している。そのほか回答者の64%は、情緒不安定や腹痛などの月経前症候群(PMS)の症状が「悪化した」と答えた。

不安感が大幅に高まったことや、眠れないことが「大幅に増えた」と報告している人たちもいる。研究チームは、パンデミックにより精神的な苦痛が増えたことや、不眠になる人が増えたことが、月経障害を経験する人の増加につながったとみている。

ただ、この調査は新型コロナウイルスワクチンの接種が開始されて以降、比較的早い段階で実施されたものだ。そのため、パンデミックの長期化とワクチンの影響により、その後の状況には変化が生じている可能性がある。チームに加わった別の研究者の一人は、「客観的かつ測定可能なデータに基づくさらなる調査が必要だ」と述べている。

チームはそのほか、性と生殖に関する健康(生理不順や生理の停止、生理痛の悪化や経血量の増加、PMSの悪化、性欲減退など)、精神面での健康(気分の落ち込み、不安、ストレス、不眠など)に問題があるという人は、医師の診察を受けるよう勧めている。

前述のとおり、コルチゾールの分泌量の増加は、不安感を高める。その状態が長期にわたって続けば、生理が停止する可能性も高まる。それは体が私たちに、いまは妊娠の準備ができていないということを、教えてくれているということでもある。

編集=木内涼子

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