この資質は「知的謙虚さ」と呼ばれ、希少性がますます増している。多くのリーダーは、弱い部分を見せれば自分が弱い存在だという印象を与えるのではないかと恐れ、全く的外れだったことを認めれば信用を失くすだろうと考えている。
しかし研究からは、知的謙虚さを持つリーダーは自尊心と権力に頼る人よりも有利な立場にあり、影響力や他者の尊重・忠誠心を得られることが示されている。知的謙虚さを持つことは、簡単に人の言いなりになることや自信がないことと同義ではない。開放的になり、誰もが認知面での盲点を抱えてと認めることが重要だ。
未来のリーダーや革新者が異なる考え方を採用し、強力な習慣を身につけてレベルアップするよう支援するスノー・アカデミー(Snow Academy)創業者のシェーン・スノーは、「オルタナティブファクト(代替的な事実)」とイデオロギーの深い隔たりが存在する現代は、知的謙虚さが特に価値を持つようになったと述べている。
スノーは「知的謙虚さが高ければ高いほど、自分とは違う人とよりうまく協力することができ、より革新的な問題解決者となり、より良い人になれる」と語った。
スノーは、知的謙虚さを深く研究・調査してきた。彼が引用したペパーダイン大学の心理学者で、知的謙虚さを測定する尺度を作り出したこの分野の第一人者エリザベス・クラムレイマンクーゾによると、知的謙虚さは主に4つの要素で構成される。これは、意見の尊重、知的側面で自信過剰でないこと、自尊心の知性からの分離、意見を修正する意思だ。
あなたの知的謙虚さを測る4つの問いは次の通りだ。
1. 私は他者の意見を尊重するか
知的謙虚さを持つリーダーは、他者の貢献のおかげでさらに重要な見識が生まれる場合があることを理解しているため、他者の意見を聞いて支援を求めることに前向きだ。こうしたリーダーは知識を強化して学びを深めるため、反対意見や自分と異なる視点を積極的に集める。
スノーは、こうしたリーダーは人の話を遮ることなく聞き、理解できない、あるいは合意できない人を軽んじることなく、「誰がそんなことを信じるか」などと言わないものだと述べている。