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2021.12.27 07:00

ピーター・ティールが支援する「都市データ分析企業」Replicaの実力

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ニューヨーク市の公共交通を統括するメトロポリタン交通局(MTA)は、パンデミックによる利用者数の急激な減少にどう対処するかという難問に直面した。その際に彼らが頼ったテクノロジー企業が、AI(人工知能)を用いて都市部における人の動きをマッピングする「レプリカ(Replica)」だった。
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レプリカのモデルは、AIと機械学習を利用して、人々の動きをシミュレートする。このモデルを利用してMTAは運行本数を減らしてコストを抑え、パンデミックを生き抜いた。

レプリカは2021年4月、ピーター・ティールのFounders Fundの主導で4100万ドル(約46億円)を調達した。「創業間もないスタートアップが、これほどのスピードで政府機関の契約を獲得するケースは稀だ」と、新たにレプリカの取締役会に加わったFounders Fundのパートナーのトラエ・ステイーブンスは述べている。

カンザスシティに本社を置くレプリカは、アルファベット傘下のスマートシティテクノロジー企業Sidewalk Labsから2019年9月にスピンアウトした。同社の共同創業者でCEOのニック・バウデンは、「これまでの公共交通機関は、過去のデータを使って未来を予測していた」と話す。
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MTAなどの公共交通機関は、これまで国勢調査や世帯調査などのタイムラグが大きいデータに依存していたが、レプリカはそれらのデータと、スマートフォンのアプリなどから得られる最新のデータを組み合わせ、オペレーションの改善に活かしている。

ここで重要なのは、レプリカがプライバシーに配慮し、匿名化されたデータでシミュレーションを行っていることだ。彼らは都市環境をシミュレートし、「AIで合成された人口」の動きを提示する。

「交通オペレーターにとって重要なのは、買い物に行く人の中で、ウーバーやリフトを利用する人の割合はどの程度かというものだ。特定の個人に紐付くデータは求められていない」と、バウデンは説明した。

Founders Fundのステイーブンスは、レプリカのような小さなスタートアップが政府機関と契約を結んだことに感銘を受け、彼らを支援したいと考えたという。ステイーブンスとバウデンは、レプリカの評価額を明かさなかったが、2人とも収益の伸びが予想を上回っている点を強調した。

編集=上田裕資

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