ブレイクリーは前向きな思考を持つことの重要性を、(心理学者で著述家の)ウエイン・ダイアーから学んだ。ずっと聞いていたダイアーのスピーチを録音したカセットテープは、つらい経験をした16歳のときに、父親がくれたものだ。
そのころダイアーから学んだのは、「引き寄せの法則、望むものを明確にすること、視覚化すること」だ。彼女にとってこれらは、まさに“秘密兵器”の一部だという。
また、ブレイクリーは小売業界で働いた経験がなく、経営を学んだわけでもなかった。だが、自分を信じ、自分に対する自信を持ち続けた。「知らないこと」が最大の資産になると考えるのは、「知らないからこそ、革新的になれる」からだ。
例えば、シェイプウェアの履き心地を良くするためにウエスト部分にゴムひもを使わず、(伸縮性がある化学繊維の)ライクラを使用してはどうかと思いついたのも、メーカーにその考えを堂々と提案できたのも、従来の製造方法を知らなかったからだ。
彼女にとって、売るべきものは「品物」ではなく、「問題を解決してくれるもの」だ。女性たちを快適にするもの、効果的なものを販売したことが、成功につながったと考えている。
失敗は「多いほどいい」
ブレイクリーが起業家たちに勧めるのは、まず「失敗に慣れること」だ。そして、「人からどう思われているか、気にしないようにするための努力をすること」だ。スタンダップコメディに挑戦したり、あえて恥ずかしい状況に身を置いたりするのも、そのためだという。
間違ったり、失敗したり、恥をかいたりしたことを素晴らしいストーリーにできれば、それは素晴らしい資産になる。ブレイクリーは、そうした経験こそ、「人とつながるため」の素晴らしい方法だと考えている。起業家は失敗に慣れることで、恐れずリスクを取ることができるようになると述べている。