5000ドルの貯金を元手に起こした会社の価値を「10億ドル以上に引き上げた」と聞けば、まさにサクセスストーリーのように思えるかもしれない。だが、フォーブスが開催した第1回「Forbes Next 1000サミット」で登壇したブレイクリーによれば、それまでの道のりは、決して簡単なものではなかった。
ブレイクリーの起業のきっかけは、よく知られている話だ──1998年、あるパーティーに出席することになった彼女は、白いパンツを履きたいと思ったが、下着の線が見えるのが嫌だった。そして、補正効果のあるパンティストッキングの足の部分を切り取って履くことを思いつき、試してみてその良さに気づいた。それが、彼女にとっての“ひらめきの瞬間”だった。
「失敗」は多かった
ブレイクリーは、法科大学院への進学を目指していた。だが、2回受験したLSAT(適性試験)で2回とも“失敗”し、希望を打ち砕かれた。そして、ディズニーワールドで職を得たが、そこでも希望していた仕事をすることはできなかった。168cmでは背丈が足りず、希望していた「グーフィー」にはなれなかった(代わりに「シマリス」になったという)。
その後7年間、出身地のフロリダ州クリアウォーターでファクスの訪問販売員として働いた彼女は、その間に何度も「拒絶」を経験した。自分には変化が必要だと確信したのは、特につらいことがあり、車を道路の端に寄せて泣いた日だった。
すべては「思考」から
ブレイクリーは、自身が成功を収めるのに役立ったのは「前向きな思考」であり、それは「どの起業家にとっても、唯一かつ最大の資産だ」と語る。障害を乗り越え、問題を迅速に解決し、戦略を変更するためには、そうした考え方が不可欠だからだ。