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2021.12.17

自動運転トラック「トゥーシンプル」が物流大手DHLと提携

(c)TuSimple

自動運転テクノロジー企業の「TuSimple(トゥーシンプル)」は、物流大手のDHLに自動運転で走行する大型トレーラーを提供しようとしている。DHLは、初回分として100台のトラックをTuSimpleに発注した。

TuSimpleは、DHLからの受注分を含めると合計で約6900台のトラックの予約を受けており、大手トラックメーカーのナビスターと製造を行っている。12月16日のプレスリリースによると、DHLは今月、テキサス州ダラスとサンアントニオの間で、TuSimpleの自動運転トラックを使用した貨物輸送を開始した。

TuSimpleのCEOのCheng Luによると、同社の自動運転トラックは現在、人間のセーフティドライバーを運転席に乗せているが、年末までに、人間のバックアップを受けない「ドライバーアウト」のトラック輸送を初めて行う予定という。

TuSimple はこれまで、UPSをはじめとする10社以上の大手運送会社とパートナーシップを結んでおり、中国でもすでにトラック輸送を行っている。

自動運転トラックは、ロボットタクシーよりも早期に収益を上げることが期待されており、ナスダックに上場するTuSimpleの時価総額は70億ドル(約8000億円)を超えている。しかし、実質的な収益を上げるのは少なくともあと1年後になる見通しだ。

DHLは、TuSimpleの顧客でパートナーでもあるが、UPSのようにTuSimpleに出資は行わない。DHLが発注した100台のトラックは、2024年までに納入予定とされている。

「最先端のテクノロジー企業との提携は、当社のデジタルトランスフォーメーション戦略の基盤となる。TuSimpleは当社の次世代輸送ソリューションに重要な役割を果たす」と、DHLの輸送サプライチェーン担当社長のジム・モンクメイヤーは声明で述べた。

TuSimpleは先月、UPSの荷物を運ぶプロジェクトの始動から2年が経過し、16万マイル(約26万キロ)以上を自動運転で走行したと発表した。同社のトラックは、時速68マイル(約109キロ)以下の最適なスピードで走行することで、燃料消費量を13%削減したという。

TuSimpleは現在、アリゾナ州とフロリダ州を結ぶ貨物輸送ネットワークから収益を上げている。同社が運営する約70台の自動運転トラックを用いた輸送ネットワークは、まだ小規模ではあるが、ウェイモやEmbark、オーロラ、Kodiakなどの競合の中では最大規模という。

編集=上田裕資

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