教訓その3:家族を巻き込む。「従業員とコミュニケーションをとるだけでは十分ではなかった」とフィエルコフは話す。
「従業員の家族たちもまた、会社に気遣ってもらえていると実感する必要があった。パンデミックのさなか、私たちは安全対策についての情報を提供した。真の従業員エンゲージメントを実現するためには、家族を巻き込まなくてはならない」
教訓その4:チームの成長を促す、より良い方法を見つける。フィエルコフは、従業員教育プログラムを提供する企業を経営しているが、「パンデミックで、これまでの個人トレーニング・セッションが中止されたからといって、トレーニングそのものを停止する必要はない」とフィエルコフは確信している。
「私たちは、トレーニング用動画を以前よりも短縮し、より頻繁に提供することにした。また、多くの内容について、ゲーム感覚で取り組めるようなものに変更しているところだ。パンデミックによって私たちは、チームメンバーがプロフェッショナルとして学び成長していくための、革新的で新しい方法を取り入れることを迫られたのだ」
教訓その5:コミュニティで役割を果たす。「パンデミックの発生当初、失業率が急増し、コミュニティは多くの助けを必要としていた」とフィエルコフは振り返る。
「私が関与する物流企業は、トラック輸送サービスを無償提供し、各地域のフードバンクの在庫確保に協力した。また、米疾病予防管理センター(CDC)と協力し、長距離トラック運転手を対象にした衛生管理のベストプラクティスを作成した。当社のトラックドライバーは、パンデミック対応の最前線で働いた。米情報番組『Today』や、スペイン語放送局Telemundoといったメディアがそうしたことを取り上げてくれたおかげで、自分たちの取り組みに大きな誇りを持てるようになった」
ハイブリッド勤務は今後も継続する、とフィエルコフは見ている。コロナ禍の前は、従業員の在宅勤務を柔軟に整備しようとする雇用主はあまりいなかった。しかしパンデミックによって、雇用主は、「ワークライフバランス」について語るだけの姿勢をやめるよう迫られた。コロナ時代には多くの人が、テクノロジーの力によって、これまでは存在してなかったバランスを見つけることができたと、フィエルコフは指摘する。
「おかげで、従業員たちの幸福度は上昇した」とフィエルコフは話す。「オフィスに週5日出勤する働き方には、もう戻れないだろう。今後は、融合した働き方になるはずだ」