ビジネス

2021.12.17 07:00

シャネルが新CEOを任命、業界では外部からのトップ起用が続く


そして、現在の企業が「ただ製品をつくるだけのもではない」ことを知るバークは、次の点を指摘する。

30年近くユニリーバで働き、HR部門のトップに上り詰めたナイールはその経歴から世界的に、進歩的であり、人間中心に考えてリーダーシップを発揮し、ビジネスに多大なインパクトを与える人であるとの評価を得ている。現在、彼女が担当するのは、世界100カ国以上で働く15万人以上の従業員たちだ。

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バークはまた、ナイールの新たな役割は、人、文化、そしてメッセージを重視する新たな時代にシャネルを導くものになるとみている。

一方、フランスを象徴するブランドであるシャネルは、自国の出身者ではなく、白人でもない女性をブランドを率いるポジションに迎えることで、同業他社の女性幹部たちからの称賛を受けている。

高級ヴィーガンシューズのアエラの共同創業者でCEO、ドルチェ&ガッバーナの北米地域の社長兼CEOだったティナ・ボジュワニは、次のように述べている。

「大手高級ブランドが経営トップに女性を迎えると知り、すがすがしい気持ちだ。シャネルは世界中の非常に多くの女性たちの共感を呼んでいる」

「ブランドがその顧客基盤を代表するような人を採用するのは、理にかなったことだ」

慈善活動にも積極的に?


シャネルは2011年に財団を創設。世界の女性と少女たちにとっての経済・社会的環境を改善することを目指すとしてきた。また、「カルチャー・ファンド」や「ネクスト・プライズ」を通じて、文化と芸術、若い才能を支援してきた。

だが、これらの分野に、マーケティングと同様に力を注いできたわけではない。今後は競合他社のように、社会的な意識を高め、慈善活動により積極的になるだろうか。

「数百万ドル規模のビジネスは今、運営の仕方を変えなければならない」というバークによれば、シャネルは競合他社と比べ、それほど公に慈善活動を行ってきたわけでも、持続可能性に関する話し合いに参加してきたわけけでもない。だが、ナイール次期CEOは、こうした活動に精通した人のように思えるという。

編集=木内涼子

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