ミシガン大学社会研究所のチームは1975年から毎年、全米の8年生、10年生、12年生を対象に、アルコールや大麻(マリファナ)、電子たばこで吸引するニコチンといった違法薬物の使用の有無を自己申告で調査している。今年は公立、私立計319校で行ったアンケート3万2260件からデータを集めた。
それによると、過去に大麻を除く違法薬物を使った経験がある生徒の割合が前年比25%超減少するなど、10代の間で薬物使用が急減したことが判明した。コカインや幻覚剤の使用や、アンフェタミン、鎮静剤、処方されたオピオイドの医療目的以外の服用も減っている。
調査に資金を拠出している米国立薬物乱用研究所(NIDA)のノラ・ボルカウ所長は「たった1年間で、10代の薬物使用がこれほど劇的に減少するのは初めてのこと」と説明。今回のような結果になったのは、青少年の日常生活を激変させたパンデミックの「予期せぬ結果」とも考えられると述べている。
今年の調査では、生徒にパンデミック中のメンタルヘルスについても尋ねており、ほかの調査と同様、倦怠や不安、心配、抑うつ、孤独感、睡眠障害といった精神面の不調を訴えた生徒がどの年齢層でも増えていることが確認された。