サクセス・アカデミーで1年を過ごしたロバート・ポンディシオは著書『How the Other Half Learns(残りの半分が学ぶ方法)』で、同校の成功について詳しく説明しているが、同校がさまざまな障壁を設けることで、子どもを支援する熱意ある親を持つ子のみが入学できるようになっていることも明確にしている。
また、同校は退学させたい児童・生徒のリストを作成していたことでも有名だ。加えて、チャータースクールでは、年度の途中や中途学年での転入を受け入れないことも一般的だ。ブルームバーグが成功例として挙げた学校は、全ての子どもを受け入れ教育するという公立校の使命に反するのだ。
ブルームバーグは、新型コロナウイルス流行を受けてチャータースクールへの入学が大幅に増えたことを指摘したが、その多くはオンライン校だった。オンラインのチャータースクールでの教育の成果は芳しくないため、これは問題だ。さらに、児童・生徒の構成の差異を考慮した上で成績を比べると、チャータースクールは公立校と変わらないことを示した研究も複数あるが、ブルームバーグはそれに言及していない。
端的に言えば、チャータースクールが「証明された代替策」だというブルームバーグの主張は、良く言っても議論の余地があるものだ。