ビジネス

2021.12.17 06:00

オミクロン株で狂う米企業の出社再開計画

Getty Images

映画『ゴッドファーザー』に「足を洗えたと思ったら、また引き戻される」という有名なセリフがあるが、終わりの見えないこのパンデミックもまさにそんな感じだ。終息に向けた希望の光がちらついたかと思えば、また新たな変異株が突然出現する。

フォーブスは先ごろ、新たな変異株「オミクロン株」をめぐる不確実性によって、企業は従業員のオフィス復帰計画の見直しを余儀なくされるかもしれないと報じていた。現実はそのとおりになっているようだ。

従業員40人超の新型コロナ感染が新たに確認された投資銀行のジェフリーズは、従業員とその家族を守ることが「目下の最優先事項」(リチャード・ハンドラー最高経営責任者=CEO)だとし、従業員に対して在宅勤務に戻るよう要請した。同社は社交行事などを来年1月3日まで控えることも決めた。

アップルのティム・クックCEOも、オフィス勤務の再開を来年2月に延期すると従業員に伝えたとのことだ。同社では来年3月から、1週間のうち月・火・木曜日は出勤し、残りは在宅勤務というハイブリッド型の働き方ができるようにする。

フォード・モーターもハイブリッド型勤務の導入を決めていたが、「新型コロナをめぐる状況が依然として流動的」(広報担当者)だとして、開始時期を来年3月に先送りすることにした。

ワシントン・ポストによると、グーグルとウーバーも出社再開を来年に先送りする方針だ。両社とも、従業員をオフィスに戻すのが来年のいつになるかは未定だという。ウーバーは「希望者向けにオフィスを開いておく可能性もあるが、出社は強制しない」と従業員に説明している。

メタ(旧フェイスブック)は来年1月末にオフィスを再開する予定だが、従業員の出社の再開時期は最長で6月まで遅らせることを認めた。シャネル・ゲール人材担当副社長は「(オフィスに)戻る準備が完全にはできていない人もいる」と述べている。

出社の再開や停止が繰り返される状況が続けば、従業員全員をオフィス勤務に戻すのは合理的な目標ではないといずれ労使双方が納得する日が来るだろう。今後の流行への懸念や、託児所や学校の閉鎖など関連する影響によって、従業員のかなりの部分は引き続きリモート勤務をすることになりそうだ。

流行が収まれば、週に数日は出社し、同僚らと交流したり経営陣の目に留まる機会を得たいと考える人も出てくるだろう。また、若い従業員には、オフィスで自社のカルチャーに触れたり、メンターを見つけたり、会社の仕組みを学んだり、あるいは人脈をつくったりしたい人もいるかもしれない。

いずれにせよ、パンデミック前の規範や基準にもう戻れないことは明らかだ。

編集=江戸伸禎

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