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2021.12.16

資産過半の寄付を誓う「ギビング・プレッジ」、今年は14人が署名

ギビング・プレッジに参加表明した、ピンタレストCEOのベン・シルバーマン(Photo by Steve Jennings/Getty Images for TechCrunch)

保有資産の半分以上を寄付することを誓う「ギビング・プレッジ」に今年、新たに参加を表明した富豪は14人にのぼった(夫婦などの共同名義は1人とカウント)。

マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツと元妻メリンダ・フレンチ・ゲイツ、著名投資家のウォーレン・バフェットが2010年に開始したこの「誓約」に署名した人は、これで231人となった。

新たに署名したのは、米国とインド、オーストラリアなど8カ国の富豪たち。この中には、フォーブスの調査でビリオネア(保有資産10億ドル以上)と推定される11人も含まれている。11人の保有資産は、合計およそ481億ドル(約5兆4700億円)だ。

最も多額を保有しているのは、オーストラリアのスタートアップ、Canva(キャンバ)の共同創業者、メラニー・パーキンスCEOと夫のクリフ・オブレヒトCOO。夫妻の資産は、合わせて130億ドル以上と推定される。

個人で最も高額を保有しているのは、韓国最大手のメッセージアプリ、カカオトーク(KakaoTalk)の創業者、金範洙(キム・ボムス)。資産は推計114億ドルとなっている。

使途は各自が決定


ギビング・プレッジは、世界が直面する差し迫った問題の解決により多くの資金を充てることを目指し、ゲイツらが開始したもの。これまでに28カ国の34~98歳の富豪たちが署名した。そのメンバーには、世界的にその名を知られるビリオネアたち、マーク・ザッカーバーグやマッケンジー・スコット、イーロン・マスクなども含まれている。

この誓約に特徴的なのは、特に拘束力があるものではないということだ。「公の(場での)、道義的な」約束であり、署名した富豪は自らの富をどのように活用するかについて、自分で決定する。以下、新たに署名した富豪たちを紹介する。

・アニル・アガルワル(インド):べダンタ・リソーシズ(Vedanta Resources、鉱業・資源グループ)会長/39億ドル

ロンドン在住だが、出身国インドでの慈善活動に尽力したい考え。子どもたちが出自にかかわらず平等に教育を受けられるようにするため、政府との協力により、すでに幼児教育施設のネットワーク作りに着手している。

・ジョナサン・エアーズと妻へレイン(米国):パンテーラ(Panthera、野生動物保護団体)理事長

ジョンは動物・家畜向の診断サービス向け関連製品・サービスを提供するアイデックス・ラボラトリーズの元CEO。事故に遭い、首から下が麻痺したことをきっかけに退任し、現在は慈善活動を行う。

・リック・エリアスと妻ブレンダ(米国):レッド・ベンチャーズ(Red Ventures、デジタルメディア)CEO

リックはレッド・ベンチャーズを共同で創業、「ロンリープラネット」や「ヘルスライン」を買収し、事業で成功を収めた。その後は出身地プエルトリコの経済的に恵まれない若者たちの支援活動を行っている。
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編集=木内涼子

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