Vayの共同創業者でCEOのトーマス・フォン・デルオーエ(Thomas von der Ohe)は、遠隔で運転操作を行う「テレドライバー」と360度カメラを搭載した車を使うことで、自律走行技術を徐々に導入するための収益とデータを得ることができると述べている。
かつて、アマゾン傘下のロボットタクシーのスタートアップZooxで働いていたデルオーエは、少数のリモートのドライバーが運転操作を行うVayのサービスがウーバーのような配車サービスを凌駕するものになると主張している。
「私たちは自動運転に関して別のアプローチを追求し、まずは遠隔運転を導入しようとしている。これにより、早い段階でサービスを開始し、既存の配車サービスよりも安い価格で乗車サービスを提供できる」とデルオーエは述べている。
Vayは、レーザーやLiDAR、カメラを使ってアルゴリズムに運転を教えるという、高価で技術的に困難な作業を省略できるかもしれないが、遠隔地のドライバーに頼るという点は、大きな課題になりそうだ。同社の車両は、コントロールルームとの接続が切れた場合に、自動的に停車するように設計されているが、交通量の多い都心部での通信の遅延が問題になるかもしれない。
「当社の基本システムは非常に安価で、サービスを開始してすぐに規模を拡大することが可能だ。これまでとは異なるアプローチで、迅速に商用サービスを開始したい」とデルオーエは述べている。
ウェイモやGMのクルーズ、アマゾンのZooxなどの米国企業は自動運転によるロボタクシーを普及させようとしているが、ヨーロッパの都市の狭く曲がりくねった道に彼らが進出するのは、まだ先のことになりそうだ。