現地メディアのタイムズ・オブ・マルタによると、議会は賛成36票、反対27票で「大麻の責任ある使用法案(Responsible Use of Cannabis bill)」を可決した。与党のマルタ労働党が支持したこの法案は、マリファナの所持、購入、栽培を認めており、住民は最大4本の大麻を栽培可能で、個人使用のための大麻製品を購入できる。
ジョージ・ヴェラ大統領の署名を経て成立するこの法案は、公共の場で最大7グラムの大麻を所持し、自宅で50グラムまで保管することを合法としている。さらに、大麻所持の前科がある人は、申請すればその記録を抹消することが可能で、これは、米国のニューヨーク州などで成立したものと同様の規則だ。
米国23州で113店舗を展開する「大麻業界のスターバックス」と呼ばれるキュアリーフ(Curaleaf) のボリス・ジョーダン会長は、「マルタに続いてドイツなどの欧州の国も、この流れに追随するだろう」と述べている。
「ヨーロッパは米国の先を行っている。アメリカは信じられないほど遅れている」と、彼は話した。
米国では、36州で医療目的か娯楽目的の大麻の使用が合法化されているが、連邦政府レベルではまだ禁止されている。
一方、ヨーロッパでは、オランダやポルトガルなどの国が大麻やその他の薬物を非犯罪化しており、アムステルダムの有名な「コーヒーショップ」は、厳密には違法だが、オランダ政府の「寛容」な政策により、厳格なルールを守る限り営業が認められている。
マルタの大麻プログラムは、米国のようにディスペンサリー(認定販売所)を設置するのではなく、非営利の大麻クラブを置くことが特徴だ。1つのクラブには最大500人が入会可能で、1回の取引で最大7グラムが購入でき、月あたりの上限は50グラムとされている。
EUでは他にも、ドイツ、イタリア、ルクセンブルグなどが大麻に関する法律の改正を計画している。