サラリーマンの悲喜こもごもをユーモアたっぷりに詠んだ句の数々が毎年話題を呼び、「サラ川」の愛称でいまやすっかり世の中に定着した感がある。その年のトピックス、世相、流行などが色濃く反映されていることもあって、発表されるたびにマスコミにも多く取り上げられる名物コンクールだ。
そのサラ川に、今年は若者言葉で一句詠む20代限定の新企画「イマサラ」が登場した。若者の保険離れが論じられていることとの関連性の有無を探りつつ、なぜ、20代にフォーカスした企画が立ち上げられたのかに迫る。
「サラ川」、始まりは社内報だった
毎年大きな話題を呼ぶサラリーマン川柳だが、あらためてどういったものなのかを解説しておきたい。
サラリーマン川柳(サラ川)とは、第一生命が毎年開催しているサラリーマン川柳コンクール、もしくは同コンクールに応募された川柳を指す。
元々は1985年に第一生命の社内報で、第一生命職員の職場や家庭での喜び、楽しみ、哀しみなどを川柳に託してもらおうという社内企画としてスタートしたという。1987年から広く全国で一般募集を開始し、2021年10月29日に締め切られた「第35回サラリーマン川柳コンクール」をもって35周年を迎えた。応募された句の中から優秀な100作品が選ばれ、そこから一般投票でベスト10を選ぶという形式をとっている。
今年度募集分の第35回は2022年1月下旬に優秀100作品の発表が予定されているため詳細はまだわからないが、第34回は、2020年度地元サラ川選考対象応募を含み6万2542句もの川柳が全国から寄せられた。そのなかで4322票を獲得して第1位に選ばれたのは、「会社へは 来るなと上司 行けと妻(なかじ/30代男性)」というコロナ禍の世相を反映した1句だ。
サラリーマン川柳は時代を映す鏡としての役割も大きく、一般投票で選ばれた句のほか、漫画家やくみつる氏と川柳作家やすみりえ氏がそれぞれ選考したベスト10やその講評などが加えられて毎年書籍化もされている。
サラ川の20代限定企画。「#フォトサラ」など
さて、「サラリーマン川柳35周年」という今年、20代限定の新企画が登場した。若者言葉を盛り込んで一句詠む今どきサラ川、通称「イマサラ」である。
「第35回サラリーマン川柳コンクール」(現在選考中)ロゴ
サラ川と同じく、イマサラもまだ選考中のため詳細は不明だ。しかし、サラ川が20代限定企画を行うのは初めてではない。これまでも「U-29 サラ川グランプリ」や「#フォトサラ」などの20代限定企画を行ってきている。そのため、第34回の特別企画「#フォトサラ」で印象に残った句について、第一生命の担当者に聞いてみた。