ビジネス

2021.12.16

投資家に必要なのは、よき説明力だ


では、どうすれば先の技術を読むことができるのか。そのヒントは日々触れる情報の集積から生まれます。

私はいま、マーク・アンドリーセンが投資している「サブスタック」というニュースレターを配信するプラットフォームに注目しています。主にジャーナリストや専門家たちが個人で発信を行っています。従来のマスメディアの特徴であった、大衆に向けた情報の編集がなく、各々の視点から特定のテーマについて枝葉まで詳細に書かれたものが多いです。

未来を予測することは、よい説明ができることと言い換えられると思います。なぜなら、事業を成功させるのに必要なのは、10年後を一緒に見て支えてくれる存在だからです。シュピーゲルもウッドも思い描く未来を言語化し、同じ未来にピンときた人から出資を受けています。そして、サブスタックは、それを発信する場になっている。

論理破綻のない未来を描き、言語化することこそ、投資思考と言えるのではないでしょうか。

村瀬 功◎慶應義塾大卒。ソニー、グローバル・ブレインを経て独立。Pacific Sky Partnersの創業、Plug and Play Ventures日本代表を経て、現在は日本企業やスタートアップのシリコンバレーでの活動を支援。

エヴァン・シュピーゲル◎1990年生まれ。スナップチャットCEO兼共同創業者。スタンフォード大学卒。大学在学中にスナップチャットを立ち上げた。25歳でビリオネアに。

キャシー・ウッド◎アーク・インベストメント・マネジメントのCEO兼CIO。南カリフォルニア大学卒。自動運転車やゲノミクスなどに投資。テスラ株の保有でも知られる。

マーク・アンドリーセン◎1971年生まれ。ウェブブラウザ「モザイク」の開発者。2009年ベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツを共同創業。

文 = 揚原安紗佳

この記事は 「Forbes JAPAN No.086 2021年10月号(2021/8/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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