英ロック界のレジェンドを悩ます更年期、妻がまったく「別人」に

ロッド・スチュワート卿(右)と妻のペニー・ランカスター(左)/ Getty Images

育った場所や通った学校などは、おそらくパートナーとの関係において必要な知識にも、大きな影響を及ぼすだろう。妊娠中絶や避妊薬の処方などの医療サービスを提供する米NPO、プランド・ペアレントフッド(家族計画連盟)によると、同国で学校での性教育を義務付けているのは、首都とほか24州だ。

英国でも、何らかの形での性と健康に関する教育が義務付けられているのは、一部の地域にとどまっている。また、性教育は行われていたとしても、授業の内容は地域によって大きく異なる。それは、実際にその症状を経験し始めるまで、「更年期症状」について知らない人も多いことを意味している。

英国のロックスター、ロッド・スチュワート卿(76)は今、更年期症状に関する教育の必要性、特に男性を対象とする教育の在り方について、改善の必要性を積極的に訴えている。

きっかけは、妻でタレントのペニー・ランカスターに更年期の症状が出始めたことだ。妻の変化に怯え、更年期について長い時間をかけて必死で調べたというスチュワートは、夫婦で出演したTV番組でその経験について、次のように語った。

「ググって、ググって、ググりましたよ…妻は不安定で、私はただ、話を聞き、学び、そしてキッチンから片手鍋が吹っ飛んでくるのに備えておくしかできませんでした」

「恐ろしかったですよ。妻は本当に、私が結婚したのとは別の人になってしまいましたから…カップルができることの中で最も重要なのは、話し合うことだと思います」

ただ、スチュワートが強調するのは、更年期への移行がどのようなものか妻から説明されても、心底「混乱した」ということだ。そして、更年期における変化についてより詳しく学んでいれば、妻を支える準備がより良くできていたはずだと考えるようになったという。

理解と支援が不可欠


ランカスターは自らの経験を語るとともに、更年期の人たちへの支援の強化を求め、活動してきた一人だ。一般的な更年期症状の一つ、ブレインフォグ(脳に霧がかかったような状態)について医師に相談したところ、抗うつ薬を処方されたことなどを明かしている。
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編集=木内涼子

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