コロナ禍で訪れた移住ブーム 検討する人が知るべきこと

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転居先としては、ニューヨークからニュージャージー州やサンフランシスコからサクラメントに移住した人などがいるが、移住者が特に多かったのはアイダホ州だった。

引っ越し企業ユナイテッド・バン・ラインズ(United Van Lines)によると、アイダホ州をまたぐ引っ越しをした顧客のうち70%以上はアイダホ州に引っ越した人で、同州を去った人は30%未満だった。これは、同州最大の街ボイシの住宅価格に反映されている。

ボイシ大都市圏の売却価格中央値は7月、48万8000ドル(約5500万円)で、昨年から32%上昇していた。フロリダ・アトランティック大学の不動産イニシアチブ(Real Estate Initiative)の調査では、住宅価格が価値に見合わず高い市場の米国トップは現在、ボイシと考えられている。

住宅価格が価値に見合わず高い移住地には他にテネシー州マーフリーズボロやフロリダ州ナッソー郡、サウスカロライナ州バークレー郡など準郊外がある。これらは全て、それぞれ最も近い都市のナッシュビル、ジャクソンビル、チャールストンから約48キロメートル以上離れていて、それぞれ過去10年で人口が30%以上増えている。

コロナ禍の影響を踏まえると、移住理由として最も多いのが家族の近くに住むことであるのは驚きではない。とはいえ、引っ越しの主な理由が仕事であったとしても家族であったとしても、調査をする責任はあなたにある。どこにでも住めるのであれば、学校が混み合い、交通渋滞があり、住宅価格が急騰しているところに住みたいだろうか?

もちろん、ボイスやテキサス州オースティンなど人気の移住先の多くは既に非常に高価になっている。移住の原因がコストであれば、移住者がまだあまり多くない場所を見てみよう。

オクラホマ州第2の都市であるトゥルサは、同市に移住する遠隔勤務者に対し最大1万ドル(約110万円)を提供するとともに、コワーキングスペースの作業場所など追加の報酬を与えている。完全遠隔勤務の人は、ボイシよりもウェストバージニア州モーガンタウンのような場所に住めば、同じ資金ではるかに多くのことができる。

もちろん、金銭的な報酬のみに頼る必要はない。あなたが検討するのを待っている隠れた秘宝のような街は多い。このアイデアを却下する前に、ポートランドやボイシ、ブルックリンもかつては「クールではない」移住先だったことを覚えておこう。

翻訳・編集=出田静

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