彼女は、その後アップルと和解して訴えを取り下げたが、それを撤回し、再び会社と対決する構えだ。
アップル社内で給与の公平性と透明性を呼びかける活動家グループの「#AppleToo」を率いていたスカーレットは、11月に会社側と「プライベートな和解」に至り、その活動を停止していた。
和解の一環として、スカーレットは9月の申し立てを取り下げ、1年間の退職金を受け取ることに合意していた。一方、アップルは従業員が給与について話し合う権利を公に認めることに合意していた。しかし、スカーレットはフォーブスの取材に、アップルの対応に誠意が見られないと述べている。
スカーレットは12月9日の電話インタビューで、「私の要求のひとつは、従業員が職場の状況や報酬について会社の内外で、公に話し合うことが認められていることを、アップルが目に見える形で周知することだった」と話した。
アップルは、社内の人事ページに従業員が給与について話し合う権利を認める文言を掲載したが、それは感謝祭の休暇の直前の金曜日の11月19日のことで、ほとんどの社員が仕事に戻った翌週の月曜日には削除されていたという。
アップルはこの件についてのコメント要請にすぐには応じなかった。
スカーレットはまた、アップルがNLRBから要求された和解文書の変更を拒否したと述べている。アップルはその文書で、スカーレットに対し、和解成立後の1年間、ほかの社員らに会社に対する告発や苦情の申し立てを勧誘、奨励、扇動しないよう要求していた。NLRBはアップルに対し、この条項を削除するよう求めていた。
「和解案の文言は、私の権利を抑圧するものだった」とスカーレットは述べた。
スカーレットが告訴の取り下げを撤回したことで、アップルは彼女の退職金を全額支払わなくなる可能性が高い。これまで同社が支払った金額は、1年分の退職金の半分にも満たない額だという。
米国の法律では、従業員が労働条件などの特定の話題を公に議論することが認められており、アップルの秘密主義については、多くの若いテックワーカーたちが反発の声をあげている。