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2021.12.12 12:00

欧州で急拡大の「ゴーストレストラン」チェーンTasterの野望

Wasant Tonkun / EyeEm / Getty Images

Wasant Tonkun / EyeEm / Getty Images

ゴーストレストランのフランチャイズ事業を手がける「Taster」は、デリバリー用の調理施設を一から作るのではなく、ライセンスモデルで事業を拡大しようとしている。

「我々は既存のレストランとの提携でブランドを拡大し、半年間で事業規模を2倍にした」と同社のCEOのアントン・スーリエ(Anton Soulier)は話す。デリバルーの元社員のスーリエが2017年にロンドンで設立したTasterは4月に3700万ドル(約42億円)を調達した。

欧州では、デリバリー専用の調理施設を運営するダークキッチンのスタートアップが数多く生まれているが、キッチンの確保には資金と時間が必要だ。Tasterは、既存のキッチンスペースを活用することで、迅速に規模を拡大し、現地のレストランオーナーの知見を活用している。

「私たちは、キッチンを一から建設するのではなく、レストランの経営者や起業家と提携し、既存の設備にブランドを導入している」と、スーリエは話す。

Tasterは、マクドナルドをはじめとする大手フードチェーンのフランチャイズモデルを採用し、ダークレストランの立ち上げから調理のトレーニング、注文や配送をサポートするテクノロジーの導入までを約1カ月で可能にする。同社は、売上に応じてコミッション料を徴収している。

Tasterは現在、イギリス、フランス、スペイン、ベルギーの複数の都市に進出している。「当社は、主に若い起業家をパートナーに選んでいる。現在、約60社と仕事をしているが、そのうちの80%が30代の若い世代で、テクノロジーに精通している」とスーリエは述べている。

スーリエは、短期的な収益性にこだわらず、今後も事業拡大のための投資を続け、2022年にはフランスのオフィスで50人のエンジニアを採用する予定だと話した。

編集=上田裕資

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