ベゾス・アースファンドはベゾスが2020年、私財100億ドルを投じて設立したもので、向こう10年にわたって、ベゾスが「地球が直面する最大の脅威」と呼ぶ問題に対応するための寄付を行う。
同基金はこれまでに、環境問題に取り組むNPO(非営利団体)やNGO(非政府組織)、研究者らに総額14億ドルを寄付したという。
先ごろ発表された寄付は、合わせて44の団体に対して行われるもので、総額の半分以上にあたる2億6100万ドルが、コンゴ盆地と熱帯アンデスの森林や生態系の保護に充てられる。
「慈善活動家」のイメージがない?
現在、世界2位の富豪であるベゾスの資産は、およそ2000億ドル。今年7月にアマゾンのCEOを辞任して以降、積極的に慈善活動を行っている。11月には、バラク・オバマ元米大統領が創設したオバマ財団に、1億ドルを寄付することを発表。
同月にはそのほか(2018年に当時の妻マッケンジー・スコットと20億ドルで立ち上げたベゾス・デイワン・ファンドを通じて)、ホームレスの家庭を支援する団体に、総額9600万ドルを寄付することも明らかにしている。
7月に自ら創設した宇宙企業ブルーオリジンの有人飛行に参加した後には、世界各地の食糧難の問題に取り組んできたシェフのホセ・アンドレスと、政治コメンテーターのバン・ジョーンズに1億ドルずつを寄付。それぞれが適切と考える寄付を行って欲しいとの意向を表明した。そのほか、スミソニアン国立航空宇宙博物館に2億ドルを寄付することも約束している。
ただ、ベゾスの両親は18年前に慈善団体ベゾス・ファミリー・ファンデーションを創設、活動を行ってきたものの、ベゾス自身が個人でそうした団体を立ち上げ、活動していることは、伝えられてこなかった。
これまでにベゾスが寄付したことが分かっている金額は、フォーブスの推計ではその保有資産の1%未満だ。また、ベゾスは富豪らが自身の保有する資産の過半を慈善活動に寄付することを約束する「ギビング・プレッジ」にも署名していない。