ついに本格的なEV時代が来た! 遅れをとる日本も注目の3車を発売

日産Ambition 2030で発表された「サーフアウト」

日産が世界初の大量生産の電気自動車(EV)である「リーフ」を発表して業界を刺激したのは、今から10年前のこと。ちょうど同じ時期に、アメリカでもテスラのモデルSなどが導入され、EV界をリードする存在となっていった。

そして今、欧州でメルセデスEQA、アウディe-tron、ポルシェ・タイカンなどドイツ勢全てが新世代のEVを出し、アメリカでも、テスラ・サイバートラック、フォード・マスタングマッハE、リビアンR1T、GMCハマーEVなどがちょうど導入される。このEVの波に少し乗り遅れた日本のカーメーカーも、ついに本格的にEVをローンチしようとしている。

それらは各社初のEVとなるので、全世界で注目されることは間違いない。少しおさらいすると、昨年ホンダは初EV「ホンダe」を出し、今年1月にマツダも初EV「MX-30」を発表した。そして、まるでEVの扉が開こうとしているかのように、2022年1月から春までに、なんと国内3社から3台の「初EV」が登場する。

トヨタ初のEV「bZ4X」、トヨタと共同開発されたスバルの初EV「ソルテラ」、また日産初のEVのSUV「アリア」が販売開始される。アリアは、小型化した各部品を統合し、高いエネルギー密度の全個体電池を採用することによって、通常のEVより長い航続距離を狙う。

日産アリア
日産 ARYA

これら急ピッチなEVの発表は、特にトヨタと日産のそれぞれのEV戦略が反映されている。というのは、日産は次世代のEV「アリア」の量産車を出すだけではなく、どんどん電動化を加速させている。11月29日に発表された長期ビジョン「日産Ambition 2030」の中では、新型4WD「サーフアウト」や「チルアウト」など4台のEVコンセプトを世界初公開した。

日産EVテクノロジービジョンを基に開発されるサーフアウトは、「砂の上でも舗装路のように走行可能」と同社が謳う、ピックアップトラック型の4WD電気自動車コンセプトとして登場するそうだ。

面白いことに、そのサーフアウトのフロントデザインは、先月アメリカで超大型上場を果たした新鋭電気自動車(EV)スタートアップのリビアン・オートモーティブ社「R1T」や、「R1S SUV」を思わせるシンプルなデザインニュアンスを持っている。ちなみに、同社のSUVの「R1S」は2022年中に日本にも上陸するという。パワフルな電動4WDドライブトレイン、まるでスーパーカーのような0-100km/h加速3秒、フル充電時の航続距離508kmというスペックだ。

リビアンのEV
リビアン・オートモーティブ R1S SUV
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文=ピーターライオン

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