大手クルーズ会社の株価は8日、ノルウェージャン・クルーズラインが8.2%高、カーニバルは5.5%高、ロイヤル・カリビアンは5.2%高と堅調に推移した。クルーズ船などの旅行関連銘柄は11月下旬に、オミクロン株への懸念から急落したが、その懸念が和らぐ中で、市場の回復をリードしている。
さらに、感染症対策トップのアンソニー・ファウチ博士が、初期データが「励みになるものだ」と述べ、オミクロン株の症状が当初、予想されたものよりも軽いとの報告を受けて、市場には楽観的な見方が広がりつつある。
ただし、最近の上昇にもかかわらずクルーズ株はやや苦戦している。ノルウェー、カーニバル、ロイヤル・カリビアンの3社は、パンデミックによる運航停止期間中に多額の損失を出した後、徐々に運航を再開し、四半期ごとの収益は急増したが、3社ともコストは依然として高いままだ。
カーニバルとノルウェーは、予約がパンデミック前の水準に戻りつつあることを受けて、2022年には黒字になると予測しているが、オミクロン株が再び感染者の急増と渡航制限を引き起こすようであれば、再び逆風に直面することになる。
モーニングスターのアナリストのジェイミー・カッツは直近のレポートで、現在進行中の経済回復が堅調に推移していることから、旅行関連の消費者の行動は「来年以降、通常の状態に戻っていく」と予測した。その結果、大手クルーズ会社に「プラスの利益」がもたらされると彼女は述べた。
クルーズ船銘柄は、航空会社やカジノなどの旅行関連銘柄とともに、先週からの株式市場の反発を牽引している。クルーズ船の大手3社の株価は、昨年10月初旬から下落し、今年に入っても下落が続いていた。