会社のカルチャーは変わるか?
カルチャーの話に少し触れたので、次はカルチャーについて書こうと思います。
“起業家の成功は基本的に「何をするか」ではなく「何者であるか」によって決まる、とビルは考えていた。優れた絵画や楽曲が芸術家の内なる価値観を反映するのと同じように、優れた会社にも起業家の価値観が表れる、と。”
これは最近読んだ「ビジョナリー・カンパニー ZERO」からの引用です。
ここに書かれている通り、SmartHRという会社は、私の価値観が少なからず反映された会社になっているんだろうなと思います。
その会社のリーダーが代わるわけですから、会社のカルチャーも確実に変わると思います。
しかし、その変化はゆるやかで、真逆のカルチャーにはならないと思っています。その理由をお話しようと思います。
まず最初に、芹澤さんも実質的な創業メンバーの1人だということです。
今から6年前の2015年11月18日、私は「TechCrunch Tokyo 2015」のスタートアップバトルでSmartHRをプレゼン、その場でサービスの正式公開を発表しました。SmartHRはスタートアップバトルで優勝を勝ち取り、その日のうちに複数のテック系メディアで記事になり、最高のスタートを切ることができました。
その日、芹澤さんは一般来場者として会場に来ていました。観客席からSmartHRの優勝を見ていて、表彰式のあとすぐに「転職に興味がある」と声をかけてくれました。その約1カ月後から一緒に働きはじめましたが、当時の会社には、私を含めてもたった3名のメンバーしか在籍していませんでした。
つまり彼は、SmartHRのことをDay1から知る数少ない人物あり、この会社を一緒につくって来た、実質的な創業メンバーの1人と言えるでしょう。
次に、いまのSmartHRのカルチャーには、既に芹澤さんの価値観が色濃く反映されているということです。
ありがたいことに「SmartHRは素晴らしいカルチャーをもっている」と、導入企業の皆様や投資家をはじめ、多方面から良い評価をいただいています。しかし、このカルチャーは創業初日から存在していたのではなく、会社が成長する過程でつくられ、積み重なってきたものです。
彼は、6年前の入社直後から影響力を発揮し、このSmartHRのカルチャーをつくってきた中心人物の1人です。私自身も、ロジックや数値だけでは判断できない意思決定の際には「芹澤さんがこの意思決定をカッコイイと感じるか?ダサいと感じるか?」を、とても参考にしてきました。
なので、皆さんが知っているSmartHRのカルチャーは、既に芹澤さんの考えや価値観が強く反映され、つくられてきたものです。
新体制になり、会社のカルチャーは徐々に変わっていくと思いますが、これまでのカルチャーを踏襲しながらも、これからの急成長、組織拡大にも耐えうるカルチャーに、芹澤さんがアップデートし続けてくれると信じています。