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2021.12.09 18:00

SmartHR宮田昇始がCEO退任発表 自ら綴ったその理由


変化に適応し続ける奴が一番強い


この会社は2013年1月創業です。「自分たちの代表作となるプロダクトをつくろう」と始めた会社でしたが、最初は何も上手くいかず。受託開発で日銭を稼ぐだけの、何も変化のない日々でした。

SmartHRのアイデアを思いついたのは、創業から2年経った2015年2月。正式リリースは2015年の11月でした。いまから6年前ほど前の出来事です。そこからは本当に変化の激しい、激動の毎日でした。

SmartHRの開発をスタートしてからのこの6年間で起きたことは、

・受託開発の会社からSaaSの会社に
・ARR(年間経常利益)は0円から数十億円規模に
・社員数は0名から500名規模に
・時価総額は初回の資金調達時と比べて4000倍以上に

と、ずっと同じ会社を経営しているとは思えないような急成長でした。

この急成長は、自分たちの想像をはるかに超えており、経営者としても求められる変化が大きかったです。

私の持論は「変化に適応し続けられる奴が一番強い」です。

2020年頃までの私は、激動のなかでも、求められる役割や環境の変化にうまく適応できていて、リーダーとして会社を急成長させることができました。

いまでは、SmartHRは日本を代表するスタートアップの1社になり、今年は遂にユニコーン企業の仲間入りを果たしました。そのような偉大な会社のリーダーを務めることができたのは、私の人生の誇りです。

しかし、前述の通り、この1年は「この環境の変化に適応できていないな」と感じるようになりました。

もちろん、社長を続けたい気持ちがゼロな訳ではありません。例えば、いち起業家として、「上場企業の社長」もいつかは経験してみたかったです。その残念さは退任後にも少し残るかなと思います。

しかし、変化に置いてかれはじめている私がリーダーを続ける限りは、会社の成長が鈍化する可能性がある。そうではなくて、自分よりも会社を大きく成長させられる次世代のリーダーにバトンタッチすべきだ。

そう考えて、退任を決意しました。

なぜCTO芹澤さんが新社長か?


ここで、新CEOになる芹澤さんのことを紹介させてください。彼はいまCTO(最高技術責任者)として、SmartHRの主にプロダクト組織の責任者をしています。

いちエンジニアとして、2016年に正社員で入社して以降、めきめきとその実力を発揮し、2017年にVP of Engineeringに、2019年にはCTOに就任しました。

特に、組織づくりや組織運営の手腕は目を見張るものがあり、知識や実行力はもちろんですが、天性の才能があると思います。また、持ち前のリーダーシップやプレゼンテーション能力で、ビジネスサイドからの信頼も厚い経営者です。

初期からずっと彼を近くで見ていますが、この会社の急成長よりも、個人としての成長スピードが早く、まだまだ伸びしろも大きい、とても稀有な人です。

会社の成長にあわせて成長・変化できている人の代表例として、カンファレンスや取材でも、彼の名前を何度も挙げてきました。

また、マーク・アンドリーセンの「Software is Eating the World」の言葉の通り、あらゆる産業がソフトウェアによって変革されていく時代です。加えて、今後は国内のSaaS業界でも競争がより激しくなり、構造上の強みを持ち続けられない企業は淘汰され、大手を中心とした統廃合も進んでいくと考えています。

そんな時代に、強いビジョンを持ったエンジニア出身のCEOが会社を引っ張っていくことは、事業においても、採用や組織づくりにおいても、長期目線で見たときに強みになると考えています。

自分よりも、この会社を成長させられる芹澤さんにバトンパスを決めました。
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編集=露原直人

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