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2021.12.10 06:00

ネットとリアルの相乗効果で躍進、米美容小売がドアダッシュと提携

Bruce Bennett/Getty Images

化粧・美容関連の商品販売とサロン運営を手掛ける米アルタ・ビューティー(Ulta Beauty)は2021年第3四半期(8~10月期)、売上高が前年比 28.6%増の約20億ドル(約2270億円)となり、純利益は同188%増加した。

アルタ・ビューティーは売上高と利益、マージンがいずれも大幅に伸びており、10月末までの9カ月間の売上高は、前年比で49%増加している。通期の既存店売上高は、同36〜37%増の85〜86億ドルになると予想される。

同社のデイブ・キンベルCEOは業績が好調なことについて、「美容カテゴリーの強さと回復力、差別化したアルタ・ビューティーのモデル、勝利を収めたわが社の文化とチームの影響力を反映したものだ」と述べている。

キンベルCEOはまた、オンライン販売を強化すると同時に、実店舗を増やしてきたことも成長につながったとしている。デジタル(オンライン)とフィジカル(リアル)の販売の組み合わせを工夫することにより、互いに相乗効果を発揮させていくことが重要との考えだ。

同社のオンライン販売の売上高のうち、20%を占めるのがオンラインで購入し、最寄りの店舗で受け取る「BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)」の形での購入だ。同社は第3四半期、米小売大手ターゲットの店内に92の実店舗をオープン。年度内に100店舗の開業を目指している。

また、同社は先ごろ、フードデリバリーサービスの米ドアダッシュと提携。注文から同日中の配送が可能にした。一部の都市では、注文から2時間以内に届けることもできるという。

そのほかキンベルCEOは、オンライン販売事業の成長に向けたもう一つの重要な要素として、市場を全米に拡大したいオンライン販売専門の化粧品ブランドに、自社の流通システムを活用してもらうことを挙げている。

アルタ・ビューティーはオンライン販売のみでの売上高を公表していないが、2020年に前年比90%の成長を記録した後も、安定成長を続けているという。

美容関連はコロナ禍でも順調


米調査会社プレイサー・ドット・エーアイ(Placer.ai)のデータによれば、今年のブラックフライデーの週末(11月26日~)はその他のカテゴリーと比べ、美容関連の商品を扱う小売店の販売が好調だった。アルタ・ビューティーの来店者数はこの間、前年比で10.3%増加した。だが、その他のカテゴリーの店舗の客足は、前年より大幅に減少していた。
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編集=木内涼子

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