ロイターは6日、テスラと同社が2016年に買収した「ソーラーシティ」が、太陽電池パネルシステムの欠陥による火災リスクを開示していなかったとする元現場品質管理者が2019年に提出した内部告発状をめぐり、SECが調査を開始したと報じた。これを受けて、テスラの株価は一時5%急落した。
ロイターによると、内部告発者はまた、テスラが欠陥のある電気コネクタに火災につながるリスクがあることを顧客に伝えていなかったと主張しているという。SECは今回初めて、数年にわたる株主訴訟の発端となったソーラーシティの買収についての調査を行う。
SECの執行部門は9月下旬に内部告発者に宛てた書簡の中で、彼の主張を現在も積極的に調査中であることを認めたという。
6日の急落で、テスラの株価は11月4日の史上最高値1229ドルを20%以上も下回る水準に下落した。テスラの時価総額は同期間に2500億ドル(約28兆円)以上も減少した。
イーロン・マスクは、2016年にテスラがソーラーシティを買収したことを「変革」だと自画自賛していたが、株主グループはこの買収に不満を抱き、買収は彼のいとこが設立した不採算の会社を救済するためのものだと主張し、裁判を起こしていた。
10月に裁判所は、マスクに対する直接請求を棄却したが、株主らに将来的にマスクを訴える機会を与えていた。
テスラの時価総額は、11月初旬に1兆2000億ドルを記録したが、6日の急落で一時9770億ドルまで減少した。しかし、今回の急落にもかかわらずテスラの株価は1年前から33%上昇している。これに対し、S&P500の同期間の上昇率は約24%だった。
11月に、前人未踏の保有資産3000億ドル超えを達成したマスクの現在の資産は約2590億ドルだ。ちなみに、世界第2位の富豪のジェフ・ベゾスの資産は1970億ドルと試算されている。