ビジネス

2021.12.13

花のサブスク・ブルーミーが業界を刷新 「人に贈る」から「自分で飾る」へ

Crunch Style 代表取締役CEO 武井亮太

最近は色々なものがサブスクできるようになった。音楽から洋服、車、別荘に至るまで、私たちの生活の隅々にサブスクが拡がってきている。

すっかり“サブスク”の呼び名で定着しているサブスクリプションサービスは、定期購買型のサービスであり、つまり、定期的に新しいものが必要になる商材と相性が良い。様々なサービスが登場する中で、この特徴にピッタリだと思ったのが「花」である。

花のサブスク


家に花があると、それだけで明るい気持ちになり、生活に彩りを与えてくれる。しかし、買って数日すると花は徐々に萎れていき、むしろ部屋の雰囲気を暗くしてしまう。家の近所に花屋でもない限り、状態の良い花を常に飾るのは難しいだろう。そこで活躍するのが、花のサブスクサービス「ブルーミー(bloomee)」だ。


(画像提供:Crunch Style)

ブルーミーでは、部屋に飾りやすいようにアレンジされた花束が毎週届く。送られてくる花は選べないが、かえって自分では選ばないような組み合わせを楽しむことができる。届いた花束を箱から出してそのまま飾れる手軽さも人気の秘訣だ。

私も数年前から注目していたサービスだが、少し前のテレビCMで、会員数が10万世帯を突破したと知って驚いた。コロナ禍の巣ごもり需要でユーザー数が一気に伸びたのだろうか。ブルーミーを運営するCrunch Styleの代表取締役CEO、武井亮太に躍進の背景を聞いた。

鳴かず飛ばずだった創業期


武井がCrunch Styleを創業したのは今から5年前。ブルーミーはCrunch Styleの2つ目のサービスで、当初は花のECとしてスタートした。

花屋で花束を作ってもらうには、当然ではあるが直接お店に行く必要があるうえに、予約していなければ、花束が完成するまでにそれなりの時間がかかる。

そこに課題を感じた武井は、チャットで気軽に花屋に相談でき、好きな花束をオンラインで贈ることができるサービスを立ち上げた。しかし、サービス開始から1年半近く経っても、売り上げは泣かず飛ばずだった。

なんとかしてサービス拡大の糸口を見つけるため、武井は数少ないユーザーにヒアリングを行った。そこでわかったのは、「人々の普段の生活に花がない」ということだった。

「食べ物とかワインとか、自分が日頃楽しんでいるものならプレゼントを考える際に自然に候補に浮かびますが、自分の生活にないものはなかなかそうならないですよね」
次ページ > 「自分のために飾る」という新しいユーザー体験

文・写真=入澤 諒

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事