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2021.12.17

12月に新規上場、セールスフォース・ドットコムやエンタープライズ企業に高く評価される「攻めのDXベンダー」フレクトとは

フレクト 代表取締役CEOの黒川幸治

Salesforceグローバルでのイノベーションアワードを日本企業で初めて受賞し、小松製作所社長によるCEATEC基調講演では高い技術力を持つIoTインテグレーターとして激賞される──。

いずれも、2021年12月に東証マザーズへ上場したフレクトの実績だ。このように多くの大手企業から高い評価を受け続ける理由はどこにあるのか。代表取締役CEOの黒川幸治へのインタビューを通じて探っていく。



リーマンショックで付加価値の重要性に気づく


真摯かつ誠実──東京・内幸町のオフィスで姿を表した黒川からにじみ出るオーラは、この言葉に集約されているように感じられた。物腰柔らかな低姿勢の奥にほの見える確固たる自信。それらはどんな経緯で築かれてきたのか。インタビューは、起業のきっかけを問うところからスタートした。

「学生時代、渋谷で起業家を輩出しようという『ビットバレー構想』がありました。そのコミュニティへ参加し、ITビジネスの将来性を感じたのがきっかけです」

ITバブルといわれた2000年頃のこと。さぞ順風満帆だったのではと思いきや、マネタイズがうまくいかずにビジネスモデルを転換したり、役員が退任するなど組織が落ち着かなかったりでいったん撤退に追い込まれる。「再スタートの決意で」フレクトを立ち上げるまで、5年の歳月を必要とした。

しかし、一度ダメージを受けるとなかなか”攻め”には出られないものだ。黒川がそれに気づいたのは、再スタートして3年目の2008年。実質GDPが2年連続マイナス成長となるほど日本にも大きな影響を及ぼしたリーマンショックで、業績が減少する。ここが、黒川とフレクトにとって分水嶺となった。現実に流され、”攻め”に出ていない自らを直視したのだ。

「高い価値提供ができていないことに気づいたんです。それができていれば、景気がいくら後退しても顧客から選ばれて業績を伸ばせていたはずだと思いました。特に、私たちが価値提供しているテクノロジーは、何もしなければコモディティ化して価値が下がります。そうならず今後も生き残り続けるためには、常に先端テクノロジーを取り入れて武器とし、付加価値を高めなければならないと決意しました」

当時、フレクトはBtoCの商用Web・モバイルアプリケーションをリクルートなどの大手企業から受託開発していた。「顧客接点アプリ」の開発ノウハウを積み上げてはいたものの、競争優位性を確保できるだけのテクノロジーは持っていなかった。

そこで取り組んだのが、マルチクラウド開発である。2009年から株式会社セールスフォース・ドットコム、Heroku,Inc. 、Amazon Web Services,Inc.、と順次パートナー契約を締結。徐々に引き合いが増えていった。クラウド全盛のいまから見れば順当な経営判断だろうが、「クラウド元年」と騒がれたのが2010年だったことを踏まえれば、当時はまだクラウドがビジネスになるかどうか不透明な時期。リソースを振り向けるには相当な勇気が必要だったはずで、黒川とフレクトが、時代とテクノロジーの本質を見極める目と、岐路における確かな決断力を持っていることがわかる。

社会への提供価値を最大化させ、社会の発展に貢献することが使命


その後、順調に業績を伸ばしていったフレクトだが、またもや壁にぶち当たる。狙いどおり付加価値を高められたことで引き合いが急増。当時の社員数は約30名とまだ少なく、人的リソース不足で対応できなくなってしまった。

「そうするとお客様は別のベンダーに依頼するわけですが、それが失敗して『やっぱり助けてほしい』と再度ご連絡をいただくことが何度もありました。『人がいないので申し訳ありません』としか答えられず、さすがにこのままでいいのだろうかと考えるようになったのです」

顧客満足度を高めたいからこそ、むやみに人を増やさなかったと黒川は明かすが、いざというときに役立てないことに忸怩たる思いがあっただろう。一方で、人は簡単に増やせるものでもない。採用・育成にはそれこそリソースがかかるうえ、組織全体の見直しも必要となってくる。

「経営陣全員で悩み抜き、議論を重ねた結果、成長戦略に舵を切ることにしました。やはり、顧客企業や社会への提供価値を最大化させて社会の発展に貢献することが当社の使命だと考えたからです」

これが2015年のこと。それからフレクトの動きは一層アグレッシブになっていく。社員数は以降の6年間で3倍以上に増えて160名となった(2021年9月末時点)。新規事業にも積極的に取り組み、2015年にはIoTサービス開発の一環としてコネクテッドカーを開発。翌2016年には、その実績とアセットをもとに自社プロダクトのSaaS型モビリティ業務最適化クラウドサービス「Cariot」をリリースする。さらに2017年にはAIサービス開発、2020年はリモートコミュニケーション技術としてAmazonChimeSDKを活用したカスタム可能なオンラインビデオサービスやAR(拡張現実)などの研究開発およびサービス実装を行った。

「テクノロジーを価値の源泉に据え、常に先端テクノロジーを吸収して高付加価値を創出し続けること、またケースに応じて自社新規プロダクトに転換するサイクルが生まれました。それと合わせて常に学び続ける文化が社内に根付いています」

高いアジリティと技術力で大手企業の信頼を集める


デジタルシフトが加速度的に進んでいるいま、そんなフレクトのサービスはさらに支持を集めている。特徴的なのは、その大半が大手企業だということだ。

「売上の約8割は、大手企業やそのグループ会社(※)です。いずれも、コスト削減を目的としたペーパーレス化やデータのデジタル化といった“守りのDX”ではなく、収益や顧客エンゲージメントの向上を目的とした新たな顧客体験(価値)の創出を実現する“攻めのDX”をサポートしています」
※日経225、日経400、日経500のいずれかに採用されている企業、または当該企業のグループ企業や当該企業に準ずる売上(1,000億円以上)規模の企業


▲「守りのDX」と「攻めのDX」の定義

DXはもはやバブルといえるほどサービスも手がける事業者も乱立している。その中で、日本国内だけで約500社のパートナー企業がいるセールスフォース・ドットコムのイノベーションアワードを繰り返し受賞するなど、フレクトは顧客企業のみならずクラウドプラットフォーマーからも高い評価を受けている。なぜそこまでの優位性を確保できているのか。黒川は3つのストロングポイントを挙げた。

「まずはワンストップでデジタルサービスを提供できることです。高い競争力を獲得し、売上や顧客獲得を伸ばしていくことが“攻めのDX”の本質だと考えていますが、そのためにはデジタルサービスの企画からUI/UX(画面や顧客体験)のデザインなどの『クリエイティビティ』と、顧客アプリケーション、業務アプリケーション、IoTやAIといった先端テクノロジー、そしてプラットフォーム、インフラまでの開発を担える『マルチクラウド・エンジニアリング』の両面をカバーしなくてはなりません。当社はこれらをワンストップで提供できるケイパビリティがあります」


▲フレクトのワンストップサービス

2点目は、変化に適応できる高いアジリティがあること。フレクトのプロジェクトは平均約3カ月。スモールスタートでクイックにリリースし、外部環境の変化や顧客のフィードバックに合わせて繰り返し改善をしていくことで、サービスの継続的な発展を力強く支えている。

そして3点目は、マルチクラウド開発を12年以上手がけてきた高い技術力だ。

「1つのデジタルサービス構築に留まらない、複数のデジタルサービスを同時並行で開発し、それらを束ねてビジネスモデルの変革を支援することができます。IoTサービスだけといった単一サービスのみの提供ではなく、ビジネス全体のデジタル変革に必要なデジタルサービスを複合的にカバーします。各種クラウドプラットフォームの長所短所を抑えてデジタルサービスの特徴や顧客要件に最適なクラウドを適材適所で活用することができます」


▲DX提供サービス


プロフェッショナルサービスの1つのロールモデルとなり、概念を変えたい


「当社のビジョンは『あるべき未来をクラウドでカタチにする』です。顧客ごとに、あるべき姿やその最適な実現手段を導き出し、コトづくり・モノづくりを支えます。ですから、生意気だと思われるかもしれませんが、顧客からのRFP(提案依頼書)の内容がふさわしくないときは、それに直接回答せずに、当社が考える企画をご提案させていただくこともあります」

下手をすると軋轢を生むような対応を辞さないのは、相手を軽視しているからでも、エゴを通したいからでもない。むしろ、極限までに顧客の成功(カスタマーサクセス)に対して「真摯かつ誠実」であろうとしているからだろう。黒川はこう話す。

「当社の行動規範『FLECT WAY』の1つに『家族に誇れる仕事をする』があります。心の底から良いと思えるサービス品質を顧客にお届けしようという意味で、サービス品質にこだわりをもって、真摯かつ誠実にお客様に向き合うことを大切にしています」

顧客にも従業員にも、そして自らのビジネスにも真摯かつ誠実に向き合う──。その透徹した姿勢が、上場を決意した理由にもなっているようだ。



「DX成功のためには、クラウド先端テクノロジーの活用が必要不可欠であり、同様に、その担い手であるクラウドインテグレーターは顧客にとって必要不可欠な存在だと確信しています。DXの成功企業がわずか6%程度である日本の実態において、クラウド先端テクノロジーの専門家として、顧客と共にDXを推進し、長期的な信頼関係を構築することで、真のカスタマーサクセスが実現できると考えています。だからこそ、上場をきっかけにプロフェッショナルサービスの一つのロールモデルとなってその概念を変え、かつ技術をベースに価値を創出するエンジニアのポジショニングも向上させていきたいと考えています」

あらゆる人とモノがデジタルでつながる社会において、クラウド先端テクノロジーの専門家が果たす役割はこれまで以上に大きくなる。とりわけ、複数のデジタルサービスを束ねて、デジタルに最適な顧客体験を提供するクラウドインテグレーターの存在は欠かせないものとなるだろう。持ち前の真摯さと誠実さでその規範たらんとするフレクトの上場は、今後のクラウドインテグレーターのあるべき姿を示すものとなりそうだ。

フレクト 
https://www.flect.co.jp/

Promoted by フレクト / text by Hidekazu Takahashi / photographs by Tsuyoshi Ando

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