経済・社会

2021.12.06 14:30

オミクロン変異株で水際対策強化。英国から帰国、「強制隔離」者の手記

PCR検査終了後、「結果通知」の部屋で自分の検査番号が呼ばれるのを待つ


12月4日、羽田空港に到着


10時間強のフライト後、日付が変わって12月4日に羽田空港に到着。遅れもなく定刻通りの午後3時半過ぎ(日本時間)着だったが、ここから、コロナ前の到着とは異なる長い到着ルートが待っていた。コロナ前なら、飛行機を降りると全員が「検疫」のルートにすぐに誘導されるが、今回の場合、同じ場所に到達するまで実に6時間弱かかった。
advertisement

手続きはQRコード確認、書類確認、アプリのインストール、PCR検査(抗原検査)、結果待ちなど5つ以上のステップに分かれており、それぞれのステップごとに違う部屋や場所が割り当てられていて、機内持ち込みの荷物と必要書類、上着などを持って逐次移動する形だった。

最初がQRコード作成(事前に作成も可能)・確認。筆者は作成していなかったので、質問票WEBにQRコードからアクセスし、出発地や個人情報、航空便名などを入力し、QRコードを生成して最初のブースに進む(写真1)。次に、機内で配られた3種類の書類(誓約書、質問票、健康カード、入管書類とは別)や陰性証明書の確認。


写真1
advertisement

一度では終わらず、各書類について違う部屋で違う担当者に確認され、全部の書類の確認チェックシートのようなものを別途渡された。また、出発地の確認と同時に黄緑色の短冊形の札を渡されて、腕につけるように言われた(写真2)。出発地によってホテルなど政府が確保する場所での隔離が必要な場合と、直接自宅で自主隔離できる場合とに分かれるので、この札がホテルなどでの隔離者の目印となるようだった。


写真2

アプリ2種のインストール、「ロケーション追跡機能オン」の確認


書類の確認が一通り終わると、アプリ2種(My SOS, COCOA)のインストールの確認。アプリが手持ちのスマートフォンにインストールされているかだけでなく、通知機能がオンになっているか、ロケーション追跡機能がオンになっているかなど、設定画面まで戻って細かく指示、確認された。さらに次の部屋に移動してから、アプリの使い方の詳しい説明がなされる。政府が確保した隔離場所で行うべき操作、自宅等の自主待機場所に移動してから求められるビデオ通話の概要などの説明を受けた(※参考:「14日間の待機期間中のルール」)。

次に、PCR検査用の番号と容器配布(番号は容器にあらかじめ貼られていて、同じ番号を書類に貼り付ける)がなされ、次の部屋で唾液採取を行った。投票所のような簡単な仕切りのブースが複数設置されていて、容器を受け取った人から順にブースに行き、小さいプラスチックの漏斗に唾液を出し、番号が記された容器の線まで唾液をためた。毎回人が来るたびに消毒しているわけではないので、感染リスクがちらりと頭をよぎったが、キャップを閉めてそのままサンプルを提出した。

さらに、検疫所宿泊施設登録票に氏名などの個人情報や食事アレルギーなどを記入。午後3時半過ぎに空港到着後、午後5時過ぎの時点で手続きとPCR検査は終わった。だが、検査結果待ちのフロアには、密にならないよう一席ずつ空けた状態なものの、ほぼ満員の人が検査結果を待っていた。

PCR検査終了後、「結果通知」の部屋で自分の検査番号が呼ばれるのを待った(写真3)。1時間以上待ってもまだ自分の番号が呼ばれず、周りの同じ便に乗っていたと思われる人たちも、特に小さい子供連れの家族はイライラが募ってきているのが感じられる。


写真3
次ページ > ホテルの部屋に入れたのは午後10時

文=高以良潤子 編集=石井節子

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事