ビジネス

2021.12.06

日本流DXを実現するMagic Moment、CEOが語る「花鳥風月Model経営」とは

Magic Moment CEOの村尾祐弥氏


2010年頃Google時代にやってきたことが、まさに今で言う「The Model」でした。より本質的な仕事にフォーカスできるのでは? とやってきたことでしたが、米企業の仕組の中では構造的な面から効率化・分業化が重要視されてしまうことが気になりました。手段が目的化してしまう、つまり道具に人間が使われてしまうようになってしまい、本質から大きく離れてしまうのです。それを変えていきたかったのです。

人はやっぱり人として生きていて、歯車のひとつでもない。もちろん成果を出すためにはテクノロジーを生かす、それは大事なことなので、どう統合するか、ロジック(データ)とエモーションとの統合、ということになるのでしょう。当社には「GO TRUE WAY」というコアバリューがあり、データと自分の直感のどちらかではなく、組み合わせて論理的妄想をしようと言っています。

──もし、ご自身の経営スタイルをネーミングするとしたらどう名付けますか。

「花鳥風月Model」とでも言いましょうか(笑)。営業の結果とは何で出来上がっているかというと、テクノロジーで行動規範・オペレーションを分析できるものの、営業マンとお客様との関係には絶対に不確実性があります。世界に唯一無二の一人と一人が出会い商談する。その「時」は、全てのゲノムを解析しようとしてもできないことだと思います。

この部分を残して、あとは全て可視化する。人に期待することとテクノロジーに期待することを明確に分けてはいますね。

Magic Moment Playbookは、最先端のテクノロジーは駆使しているものの、最後に人との関係が際立つ、そんなプロダクトなのです。また、企業の方にはLTV(Life time value)経営を目指して頂きたいと考えています。お客様との関係性をずっと続けていけたら結果的にはLTVが上がると考えるのです。

──営業が変わると、社会や世界がどう変わるとイメージされていますか。

今、営業に自信を持てない人が多く、肩書をあえて営業と表さない企業もあります。ですが、本来は素晴らしい仕事です。僕には子どもが多くいるんですが、近所に信頼している八百屋があって、その日の鮮度の高いものを選んで、嫌いなものを除いて家族の分を提案してくれるんです。これが商いの基本だと思うのです。

物を買う時、物自体が価値だと思っていて、営業の仕方を変えるということに価値を置くことを人はあまり考えません。成果主義と言われるものがありますが、それより、その前段での人と人の関係性、エンゲージメントの部分が変われば、絶対もっとハッピーになるはずだと、そして営業に自信が出てくると考えます。

インタビュー:加藤倫子、谷本有香 文=加藤倫子

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