ビジネス

2021.12.06

日本流DXを実現するMagic Moment、CEOが語る「花鳥風月Model経営」とは

Magic Moment CEOの村尾祐弥氏




──スタートアップベンチャーをはじめ、最近では、三井物産や日本有数の大企業も続々と導入されています。

今、大手企業や老舗企業が営業の在り方を大きく変えようとしているのです。三井物産さんは、複数の子会社での活用が進んでいます。また、今後は、法人向けのBPOサービスを共同で設計していく予定です。

現在も子会社でBPO事業を展開されていますが、今のスキームだと付加価値がつけづらいんです。法人営業の代行は、電話をかけた数やアポイントの件数で評価されます。でも、そのアポイントが成約に繋がりやすいとは限らない。営業代行の成果を顧客エンゲージメントで評価する体制を作ることができれば、必然的に成約率は上がるんです。子会社での営業の成果を上げることに加え、BPOでもより本質的で付加価値が高いサービスを提供したいといったことからご検討いただきました。

──今、日本企業の多くは営業においてどういうところに課題感を抱えているのでしょうか。

身も蓋もない話ですが、課題は「課題がわからない」ことなのです。自分たちの製品がお客さんにどう受け入れてもらっているか、人員が多いのか少ないのか、提案が良いのか悪いのか、リードタイムが長いのか短いのか。分析しようと言ってもデータがない。

ではなぜ課題がわからないのかというと、お客様の為に価値を提案し続ける、その提案価値を磨き続ける文化がないのだと思うのです。それはモノを作ってきたからで、いいモノを一発作ってはお客様に売っていくというパターンに慣れているのだと思うのです。

──不明瞭、不透明、そして複雑化した社会の中で未来像がなかなか描けない、と多くのリーダーが言っています。村尾さんとしてはどこにピンを打っているのでしょうか。

僕がアドレスしているのは「人」です。ウェブと人との関係より、人と人との関係を捉えることに興味があります。というのも、世の中、変化というか振幅が大きいな、と思うのです。デジタルに振れたと思ったらアナログに振れたり、無駄がないことに振れると今度は無駄というものに価値を見出したり……。テクノロジーは人を不要にすることもあります。

では人口がゼロになるかというとそうではない。人は相変わらず生きてるし、人は相変わらず人の事が好きだし、この普遍的とも言える人と人との関係性が何をつくるかに興味があるのです。
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インタビュー:加藤倫子、谷本有香 文=加藤倫子

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