ビジネス

2021.12.06

日本流DXを実現するMagic Moment、CEOが語る「花鳥風月Model経営」とは

Magic Moment CEOの村尾祐弥氏

企業の営業組織に革新的なインパクトをもたらすセールスオペレーションを提供するMagic Moment。CEOの村尾祐弥氏は、セールスパーソンとしてこれまで驚異的な成果を上げ、Google、freee在籍時は営業組織の立ち上げや改革に取り組み、想像を超えるスピードで成長する組織をつくりあげてきた。

これまで培った経験を活かして企業に提供したいと2017年に起業。最先端のテクノロジーを駆使しながらも人と人の関係を重視し、エンゲージメントに重きを置くシステムには、日本らしさを生かしていきたい、村尾のそんな想いと独自の考えがあった。その核となっているものとこれからの営業の在り方について話を聞いた。


──Google日本法人の広告営業ではグローバルのトップの成績を上げ、担当部門の売上を3年で60倍に。freeeでは営業責任者として8か月で28倍にさせたという驚異的な数字を打ち出しています。どうしてそのような成果を出せたのでしょうか。

僕一人で達成した数字ではなく、強いプロダクトとチームがあった上で成し遂げられたことなのですが、基本的に凄い面倒くさがりやなのです。物事を捉える時「なぜこの事が起きているんだろう」と考えます。メンバーにも「川下のごみをすくうな」と伝えています。川が汚いから掃除する、でもまた汚くなる。それなのにいい仕事したと満足して言うんですが、僕はその川が汚れている原因が何かと知りたくなるのです。

Googleでは、まだサーチの会社でYouTubeも買収していなかった頃、ディスプレイ広告が全く使われていませんでした。検索連動型広告がほとんどで、サーチをする人にしか広告が出ずに売上も限られます。CPCというやり方が当時成果も出ていたので皆そればかりをお客様に勧めていたんですが、Googleの広告の価値はそこではないと考えたのです。

企画を面白く考え出稿できれば、デジタル広告でもしっかり認知が取れるとまだ契約のなかったナショナルクライアントに提案しにいきました。大手生命保険会社の契約ディールが当時世界で最も大きな案件となり、それから次々と大手の契約が取れ、売上が大きく伸び、ブランド広告が一般化していきました。当時、日本のデジタル広告比率は12~13%の頃のことです。

freeeは、営業数字をデータにしている会社なんですが、そのデータをいかせていない構造を発見したんですね。この部分を解決したら全てが変わる、という川上の部分に大きくリソースをかけていき、成果を上げることができました。急激に成果が出るように見えますが、人のやっていない本質的に大事なことを提案し続けることをいつもするようにしてきました。
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インタビュー:加藤倫子、谷本有香 文=加藤倫子

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