個人としても、ストレスを抱えているときに能力を最大限発揮するのは非常に難しい。一部のストレスは避けられないが、その全体的な影響を緩和する方法はある。私はストレスの原因とその克服法について学ぶため、医師でヘルスケア企業ヒューマン(Hum2n)を創業したモハメド・エナヤット博士に話を聞いた。
ストレスの種類
エナヤット博士によると、ストレスには感情的なものと生物学的なものがある。「不安や怒りなど私たちが認識する感情的なストレスに加え、私たちが認識しない生物学的なストレスもある。ストレスを感じるのは生物学的な部分だが、これは感情的なストレスに現れない」とエナヤット博士。
この原因は、食品や環境に含まれる毒素、通常の概日リズムを破壊する光、技術による過剰な刺激など、私たちの体が不自然だと感じるものだ。これらは全て生物学的なストレス反応を引き起こし、こうした反応が過剰になるとエネルギーが枯渇し、感情的な反応が生じる。
ストレスにより、睡眠の量や質にも問題が生じる。エナヤット博士によれば、体はストレスを感じると再生力のある深い睡眠に入らないため体や脳が毎日完全に回復できず、それがストレス増加と心の健康の低下につながる。女性の間では、ストレスが月経周期やホルモンバランスを乱し、さらに大きな悪影響が出かねない。
適切なツールを活用すれば、感情的なストレスと生物学的なストレスの両方を管理できる。その方法は次の通りだ。
1. ストレスの原因を特定する
ストレスの原因が分からなければ減らすことはできない。原因を理解し、状況を正す適切なステップを踏むことが重要だ。ストレスの源を全て消すのは不可能だが、制御できるものに取り組めば大きな効果がある。
目標は、ストレスを抱えない方法やストレスを改善・克服する上でできることを理解することだ。そうすれば、ストレスを感じた場合も回復力を持て、ストレスに飲み込まれそうになっても自分を見失わないでいられる。
2. 不足している栄養素などを摂取する
ストレスを除去する魔法の薬はないが、体に不足しているビタミン類や栄養素を摂取すれば確実に効果がある。重要なのは、個人のニーズに合った適切なバランスの栄養補助食品を見つけることだ。
エナヤット博士は「誰もがユニークで、栄養不足や不均衡の状態は人により違う。そのため最適な健康水準を実現するには、各自に少しずつ異なる栄養補助食品を処方する必要がある」と説明した。
ただしビタミン類やハーブのサプリだけではストレスは解消できない。これを栄養状態の改善や運動、マインドフルネスと組み合わせればはるかに大きな効果がより早期に見られるだろう。