森岡:それにしてもこのスエードジャケット、いいと思いませんか?
小暮:80年代、我々が雑誌で一緒に働きだしたときにもスエードが流行りましたね。
森岡:そうですね、ベストとかブルゾンとか。みんなこぞって買いました(笑)。イタリア人はフロントがボタンになったバルスタリーノというスエードブルゾンを必ずもっていますよね。でもこれはジャケットタイプで、素材が同じスエードでもよりシックに装うことができます。
小暮:今回の組み合わせのように首元にスカーフをあしらって洗練された印象に着られますし、カジュアル的にコーディネートしても“大人”な感じになるのでは。
森岡:インナーに合わせたニットは「ストラスブルゴ」のオリジナル製品です。
小暮:最近、「ストラスブルゴ」は、オリジナル製品が充実していますね。でも単なるオリジナルではない。まるでインポートのように見えます。世界の一級品を見続けてきたセレクトショップならではの出来栄えです。
森岡:「ストラスブルゴ・クオリティ」を合言葉に、品質をいちばんに考えてオリジナル製品をデザインしていると聞いています。インポートのジャケットなどを合わせてもまったく違和感はありません。
小暮:それこそ、セレクトショップ本来の品揃えの姿勢だと思います。
森岡:メッケモノというか宝モノというか、欲しくなるものが必ず揃っている。行きつけのひとつに加えておくと、買い物がすごく楽しめるショップだと思います。
上質なシープスエードを使用した「タリアトーレ」のジャケット。イタリアならではの卓越したカッティング技術による両脇からウエストを絞った立体的なフォルムが特徴。中に合わせたクルーネックセーターは「ストラスブルゴ」オリジナル。素材はウール100%。スカーフはフランスのリヨンに本拠地を構えるファクトリーの製品。柄は1930〜60年代のビンテージスカーフから着想を得ている。
森岡 弘◎『メンズクラブ』にてファッションエディターの修業を積んだ後、1996年に独立。株式会社グローブを設立し、広告、雑誌、タレント、文化人、政治家、実業家などのスタイリングを行う。ファッションを中心に活躍の場を広げ、現在に至る。
小暮昌弘◎1957年生まれ。埼玉県出身。法政大学卒業。82年、株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。83年から『メンズクラブ』編集部へ。2006年から07年まで『メンズクラブ』編集長。09年よりフリーランスの編集者に。