高齢者は、認知症で脳に変化が起こっていようがいまいが、大勢の人と会ったり、騒がしい集まりに参加したりすると、対処しきれず、圧倒されてしまうことがある。対処能力は年齢とともに衰えていく。人の名前や出来事を忘れたり、会話についていけなくなったり、そうした状況を素知らぬふりで受け流したりなど、どれも高齢者にはよくあることだ。完全に押し黙って、会話に参加していない場合もある。不機嫌だったり、腹を立てたりする場合もある。それらは、もう限界に達している印だ。
高齢の親との日常生活についてアドバイスを提供しているサイト「AgingParents.com」は、次のように提案している。
1.記憶障害がある高齢者は、あなたがそれを「普通」ととらえているか否かにかかわらず、勢ぞろいした家族や親戚と過ごす時間が長くなりすぎないよう、配慮しよう。もしかすると、話し声が騒がしすぎて負担に感じたり、興奮しすぎたりしているおそれがある。
家族が集まっている部屋を離れて、静かなところに移動するか、しばらく横になるよう、提案するのもいいだろう。そうすれば、圧倒されるような思いをせずに済む。高齢者は、そうした状態になっていても、自分ではっきり説明できないこともあるからだ。
2.高齢者の場合、家族と一緒にいたいと考えていたとしても、自分の限界を自覚できていないことがある。行事の準備を手伝いたいと申し出があり、あなたも任せたいと思ったときは、簡単な作業に専念してもらおう。
以前は何の問題もなくこなせていたとしても、複雑な調理や、食事づくりのまとめ役は頼むべきではない。年齢を重ねるにつれ、思いがけない変化が生じていることがある。他の人と協力しあいながら、手伝いが難しそうな高齢者に頼るのではなく、適切に物事が行われるようにしよう。