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京都市は、2021年7月に同市初の「副業専門人材」を2人採用した

コロナ禍で副業への意欲がより一層高まっている。

自治体の副業(複業)人材の募集案件を多数扱うAnother works社の複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」では、自治体と複業人材とのマッチング支援数が、2020年12月時点の10件から、2021年10月末では82件と約8倍に急増した。同社で扱うのは、すべて無報酬の案件だ。

さらに、人材紹介サービスを展開するエン・ジャパンでは、自治体側からの副業人材募集に関する問い合わせ数が2020年のコロナ禍以後から倍増。今年度は京都市、静岡県、藤沢市など5つの自治体の副業案件を支援している。

なぜ自治体は副業人材を採用するのか?


なぜいま、地方自治体での副業人材の登用が増えているのか。

エン・ジャパン執行役員の岡田康豊によると、2018年に広島県福山市が民間企業の高度専門人材を「戦略推進マネージャー」として兼業・副業で採用したのがこの流れの始まりだという。これを嚆矢に、京都市や静岡県など全国的に広がっていった。

自治体が副業人材を採用する理由は、世の中の変化スピードに合わせて自治体にも変化が求められているからだ。各地域が抱える課題は多様化しており、現職員だけでは解決できない専門的な問題も多い。特にコロナ禍では、デジタル化や新たな街の魅力づくり、収入源の創出は急務になっている。

自治体はジョブローテーションが中心で様々な経験を積むことに重きを置いていて、専門人材が育ちづらい状況もある。それもあり、外部から多様な専門人材を取り入れる動きが加速しているのだ。特に専門人材は採用難度が高いため、「副業」という柔軟な働き方を取り入れるメリットが大きい。

「自治体で副業募集が始まった当初は、実際に現地で勤務する案件も多かったのですが、コロナ禍でテレワークが浸透したことで変わりました。都市部の優秀な人材をリモートで採用することが新たな流行りとなりつつあります」

自治体副業に関して、特に需要が高いのはIT・デジタルについての知見を持ったDX人材。背景には、総務省が2020年12月に策定した「自治体DX推進計画」がある。行政サービスのデジタル化が喫緊の課題となるなか、自治体は続々と専門人材の採用を進めているのだ。

また、シティプロモーションなどのプロジェクトを立案・実行できる戦略コンサル系人材もニーズが高い。

文=堤美佳子

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