ドーシーの保有資産の88%は、中小企業にクレジットカード決済を提供するフィンテック企業スクエア(Square)の約11%の株式だ。スクエアの株価は、2020年1月から3倍以上に上昇し、29日時点で約213ドルをつけている。
現在45歳のドーシーは、2009年にジム・マッケルビーと共同でスクエアを設立し、CEOに就任したが、それは彼が2006年にツイッターを共同創業してから3年後のことだった。
2008年にツイッターのCEOを解任されたドーシーは、スクエアが上場を果たした2015年にツイッターのCEOに復帰し、6年間に渡り2つの企業のトップを務めてきた。これは、ワーカホリックなエグゼクティブが多いシリコンバレーにおいても、きわめて稀な事例と言える。
ドーシーが初めてビリオネアとしてフォーブスの米国の富豪ランキングの「フォーブス400」に登場したのは2012年秋のことで、当時はまだ未上場のツイッターの株式を基にした推定保有資産は11億ドルだった。彼の資産は、2018年10月に63億ドルまで上昇したが、パンデミックによる株式市場の混乱で2020年4月には26億ドルまで減少した。
しかし、その後は急回復し、2020年4月から2021年11月までの間にドーシーは90億ドル以上の資産を増やし、今年10月のピーク時には149億ドルに達していた。
ドーシーは現在もツイッターの株式の一部を保有しており、その価値は約8億5000万ドルに達している。ツイッターの株価は29日のアナウンスを受けて約2.3%下落したが、スクエアの株価は上昇し、ドーシーの資産は約5900万ドル増加した。
ドーシーを批判する人々は、彼のリーダーシップのもとでツイッターが成長していないことを指摘する。直近の四半期のツイッターのデイリーアクティブユーザー数は、2億1100万人とされたが、これは月間アクティブユーザーが28億人のフェイスブックよりもはるかに少ない規模だ。さらに、ツイッターは今年第3四半期に5億3700万ドルの純損失を計上していた。