深刻な食糧不足が迫るアフガニスタン 少女たちを売る家庭も

Bilal Guler/Anadolu Agency via Getty Images

アフガニスタンが、世界最大の人道危機になりつつある。

国連食糧農業機関(FAO)は、毎日食事を得られないアフガニスタン人が約1880万人に上ると報告している。この数は年末までに2300万人近くまで上昇する見通しで、900万人近くが餓死寸前の状態だ。

5歳未満の子どものうち、少なくとも100万人は重度の急性栄養失調を、約220万人は中度の急性栄養失調を抱え、栄養失調の治療を必要としている。

しかし、子どもたちが直面している問題は飢餓だけではない。国連児童基金(ユニセフ)は「アフガニスタンは子どもにとって既に非常に厳しい場所の一つだったが、現状はさらに絶望的だ」と警鐘を鳴らした。同国が飢饉(ききん)の一歩手前にある中、状況は急速に悪化している。

食糧危機は、特に女性と少女に影響を与えてきた。女性たちは、食べ物や医療、経済的リソースの入手を含め、不釣り合いに大きな障壁に直面している。

国連は「タリバンの禁止令により女性が大半の有給職から締め出されていることで、女性が主な稼ぎ手だった家庭が最も深刻な影響を受けてきた。女性の労働がまだ許されている教育や医療などの分野でさえも、男性の家族が女性を職場に送迎するというタリバンの要件を順守できないかもしれない」と警告した。

ここ数週間で、新たな傾向も見られるようになった。それは、食べ物を購入できるよう子どもを売る家庭が出ていることだ。その大部分は少女に当たる。

報告されたケースの一つでは、6歳の少女と18カ月の幼児がそれぞれ3350ドル(約38万円)と2800ドル(約32万円)で売られた。別の報告では、9歳の女の子が羊と土地、現金の形で約2200ドル(約25万円)で売られた。こうした話は他にも多い。ユニセフは11月、アフガニスタンでの児童婚が増えていると報告した。

こうして売られた少女の一部は子どもの花嫁となる。アフガニスタンでは、15歳未満の子どもを結婚させることが法律で禁じられている(それでも国際的に推奨される18歳の基準を下回っている)にもかかわらず、児童婚は同国で広く行われている。

児童婚は少女らに著しい影響を与え、少女の健康に破壊的な結果をもたらすことが研究から示されている。児童婚は深刻な人権侵害で、現代の奴隷制度の一形態に当たる場合もある。

貧困により児童婚が増える一方、少女らは児童婚により貧困のサイクルから抜け出せなくなってしまう。また子どものうちに結婚させられた少女たちは、身体的・性的な虐待を受ける危険性もある。
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翻訳・編集=出田静

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