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Alex Wong/Getty Images

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は11月30日の上院銀行委員会で、インフレについてのこれまでの見解を変え、新たな変異株のオミクロンが物価上昇を来年まで長引かせ、米国の経済回復をさらに複雑にする可能性があると警告した。

パウエル議長は、オミクロンの出現で「持続的な高インフレの脅威」が増大していることを認め、物価上昇が来年まで続くと予想していると述べた。さらに、オミクロンによって「インフレの不確実性が高まる」ことは言うまでもなく、「雇用と経済活動のダウンサイド・リスク」をもたらすと付け加えた。

パウエル議長はまた、12月に予定されているFOMCで、量的緩和の縮小(テーパリング)ペースの加速を議論すると述べた。この発言を受けて、株式市場ではダウ工業株30種平均が600ポイント(1.6%)近く下落した。

経済活動と労働市場は改善を続けているものの、ウイルスへの懸念が高まり、感染者数がさらに増加すれば、進展が妨げられ、「サプライチェーンの混乱が激化するだろう」とパウエル議長は警告した。

パウエル議長はこれまで、インフレの高まりを「一過性のもの」と表現してきたが、30日の発言ではこの表現がもはや正確ではないと述べ、トーンを変化させた。

「サプライチェーンの制約がいつまで続くかを予測することは難しいが、インフレを押し上げる要因は来年も続くと思われる」とパウエル議長は述べた。FRBは、インフレ率はいずれ緩やかになると予測しており、来年後半には中央銀行の長期目標である2%に近づくと予想している。

10月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比6.2%の上昇で、31年ぶりの高いインフレ率となっている。ウォール街の専門家の多くは、堅調な経済成長が続くものの、インフレ率の上昇は避けられないと予測している。

CMEグループのFedウォッチによると、3分の1以上の投資家がFRBが2022年5月までに利上げを行うと予測している。

パウエル議長の今回の発言は、バイデン大統領が記者会見で、「オミクロン株によるロックダウンは考えていない」と述べた後に行われた。ほとんどの専門家はオミクロン株の危険性を予測することに慎重な姿勢を示しているが、モデルナやリジェネロンを含むいくつかのワクチンメーカーは、既存の治療法が、オミクロンに対して効果が低下する可能性があると警告している。

編集=上田裕資

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