女性主導のマッチングアプリ、「Bumble(バンブル)」を運営する米バンブルの株価は、11月10日に2021年第3四半期(7〜9月)の決算を発表した後に急落。これを受け、同社の共同創業者でCEOのホイットニー・ウォルフ・ハード(32)の資産が急減している。
ウォルフ・ハードは2月に実現したバンブルのIPOにより、資産を15億ドル(約1700億円)に増やし、世界最年少のセルフメイドの女性ビリオネアとなった。同時に最年少で上場を実現した女性CEOともなったウォルフ・ハードの保有資産についてフォーブスは、11月29日の取引終了の時点で9億4000万ドル程度と推計している。
ウォルフ・ハードはバンブルの株式のうち、21%を保有。そのほか2020年に保有していたバンブル株の一部を米プライベートエクイティ投資大手のブラックストーン・グループに売却したことで、約1億ドルを手にしている。
上場後に失速
バンブルは上場以降、それまでと同じ勢いを保つことに苦労している。投資家たちは第3四半期、同社の有料ユーザー数の成長が上場以来初めて落ち込んだことに動揺しているとされる。
ただ、新規株式公開(IPO)後に株価が伸び悩んでいる企業は、バンブルだけではない。英紙フィナンシャル・タイムズの分析によると、今年は株式市場が好調で、IPOが急増したにもかかわらず、10億ドル以上を調達して上場した企業のおよそ半数の株式が、公開価格を下回る株価で取引されている。
バンブルのユーザー数の減少は主に、米国以外で人気の同社のもうひとつのマッチングアプリ「Badoo(バドゥー)」の影響によるものだ。だが、JPモルガン・チェースのアナリスト、コーリー・カーペンターによれば、投資家はそれ以上に、バンブルの業績を懸念しているという。