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2021.12.01

ボットで買い占め、高値で転売 米議員らが禁止法案を提出

Photo by Brandon Bell/Getty Images

米民主党の議員らは11月28日、転売業者らがボットを使って人気のおもちゃなどをEコマースサイトで買い占め、高値で転売する「サイバー・グリンチ(Cyber Grinches)」と呼ばれる行為を阻止するための法案を提出した。

民主党上院院内総務のチャック・シューマー議員やリチャード・ブルーメンタール議員らが共同で作成したこの法案は、ボットと呼ばれるソフトウェアが人気商品の在庫を丸ごと奪い、高値で転売するのを防ぐことを目的としている。

この法案は、2016年に成立したチケットの大量購入・転売を禁止する法律のBetter Online Ticket Sales Act of 2016(BOTS法)を発展させたものだ。BOTS法は、チケットボットが規制を回避してコンサートやスポーツ観戦などの公的イベントのチケットを購入することを禁止し、ダフ屋がボットで入手したチケットを販売することを違法としていた。

28日に提出された「ストップ・グリンチ・ボット法(Stop Grinch Bots Act)」と呼ばれる法案は、BOTS法の適用対象をすべてのオンライン小売店に広げる内容で、可決された場合は連邦取引委員会(FTC)がその執行を行う。

「業者らは数秒のうちに何百もの商品を購入可能なボットを使って、一般消費者が特定の玩具を買えなくしている」と議員たちはプレスリリースで述べている。ストップ・グリンチ・ボット法は、勤勉な人々をダフ屋たちによる被害から守る法律だ、と議員の一人は述べた。

シューマー議員の事務所は、2017年に転売サイトで法外な価格で取引されている人気のおもちゃを見つけたという。定価が79.99ドルの任天堂のNES Classic Editionは、ターゲットやベストバイなどでは品切れだったが、イーベイやアマゾンのプラットフォームでは、1万3000ドル以上で販売されていた。

さらに、トイザらスで300ドルで販売されて完売したバービー人形が、イーベイやアマゾンで1500ドルで販売されていたという。

編集=上田裕資

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