持続可能性(サステナビリティ)については次の2つが評価基準だ。
・STARS評価(持続可能性をめぐる長期目標と、長期的な持続可能性の実現を目指して実施されている措置を教育機関別に評価したもの)
・シエラクラブが毎年発表している「Cool Schools」(大学の持続可能性に関する方針や実践内容を評価し、ランク付けした報告書)
持続可能性で1位になったのはスタンフォード大学だ。2位以下は、コーネル大学、カリフォルニア大学バークレー校、同デービス校、ハーバード大学となっている。
健康と心身の幸福(ウェルビーイング)は、次の2点をもとに評価された:
・大学が設置しているメンタルヘルス施設の数
・キャンパス内の犯罪に関する統計
健康とウェルビーイングについては、カリフォルニア大学サンディエゴ校を先頭に、マサチューセッツ工科大学、アマースト・カレッジ、ポモナ・カレッジ、ウェルズリー・カレッジが上位5校に並んだ。
言論の自由については、各大学の学生が参加できる組織の数をもとに評価された。
1位はミシガン大学で、カリフォルニア大学バークレー校、テキサス大学、コーネル大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校が続いた。
Degree Choicesの創業者オリー・ウィース(Ory Weihs)は、このランキングを発表した目的を次のように説明している。「学生をサポートしようというキャンパス文化があれば、大学やカレッジには、より前向きな雰囲気が漂い、学生は優れた能力を発揮できる。こうした調査が、学生たちの大学選びの参考になれば幸いだ」
進歩的な大学を作り上げているのはどのような要素か、進歩的であることが学生にとって有益なのはなぜかについて、納得できるかたちで説明したDegree Choicesのランキングは、絶妙なタイミングで発表された。テキサス州では今、新たに開校される「オースティン大学」をめぐって騒動が起きている。
この大学は、私立のリベラルアーツ「教育機関」だが、まだ学生もいないし、学位もカリキュラムもなく、大学として認定も受けていない。しかし、「ウォーク(woke:人種差別などの社会的不公正について高い意識を持つ人々)」への反発だけは十分だ(創立者の保守系ジャーナリストなどが、反ウォーク発言で話題になっている)。結局のところ、Degree Choicesのランキングは、大学が進歩的であることを売りにするのは悪い方法ではないことを示している。