アートが環境にできることとは? フンデルトヴァッサーが現代に向けて語ること

アートは現世の問題とどう関わるのか


芸術のもつ力


Q. 環境保護や気候変動への取り組みにおける芸術と芸術家の役割とは?

私は、芸術家は、語りかける術を創造すると思っています。彼らの手法は、作品を見る人たち、美術館へ来る人たちの「感情的な部分」へ語りかけるものです。

現在、我々が直面している環境問題を理解するには、海洋や温暖化レベルの数値など、科学的、物質的な証拠や説明も必要です。しかし、そこには「絵」が存在しない。その「絵」を芸術家は提供することができるのです。何百ページにも及ぶ研究調査、分析などの報告書のなかで説明されていることを、芸術は、一点の作品、一つのイメージを持って伝えることができるのです。これが、芸術のもつ力だと考えています。

だからこそ、芸術は我々の考え方や習慣を変えることも可能です。これが科学と組み合わされば、より強力な力となります。私自身は、芸術、芸術家、公共の文化施設は、我々の政治・社会・環境レベルにおける変革に貢献すると考えています。


取材協力:クンストハウス・ウィーン 館長Bettina Leidl氏
【参照サイト】Kunst Haus Wien Museum Hundertwasser


(この記事は、2021年7月にリリースされたCircular Economy Hubの記事から転載したものです)

連載:国内外のサーキュラーエコノミー最新動向
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文=Yukari

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