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2021.11.30 06:30

アマゾンに挑戦する自己決済企業 20以上の空港店舗で導入へ


ミシペイの利用には、店内にインフラを追加する必要はない。買い物客はQRコードをスキャンするかURLをスマートフォンのブラウザーに入力するだけでよく、これにより店舗の場所と在庫が確認される。利用者はその後、購入したい商品のバーコードをスキャンして、アップルペイ、グーグルペイ、クレジットカード含むその他の支払い方法で購入する。

ミシペイの共同創業者であるムスタファ・カンワラCEOとタンビ・バルドワージ最高技術責任者(CTO)は、同社専有の実店舗用モバイル自己決済ソリューションの開発により、両者とも2019年の欧州版「フォーブス30アンダー30」に選ばれている。

「買い物客のポケットの中にレジを」


カンワラは筆者に対し、次のように述べた。

「ミシペイは、レジを買い物客のポケットの中に入れるものだ。カメラを基盤とした技術(筆者注:アマゾンへの言及)とは違い、当社は店舗の既存のハードウエアやソフトウエアの変更を必要とすることなく小売企業と提携できる。当社はクリック・アンド・コレクトなど追加機能を通し、店舗外に続く即座に利用可能なプロセスに買い物客が参加し、商品を発見できるようにする」

ミシペイは2014年に創業され、無印良品やファッションチェーンのマンゴー、デカトロン・オランダ、また今年では北欧地域のフライングタイガー30店舗など有名企業と提携し、比較的急速に拡大を遂げた。

環境面でも利点


ミシペイは最近、食料品のセグメントにも進出した。同社は有機食品を中心とし、廃棄物ゼロの理念を掲げるコロラド州ボルダーを拠点とするスタートアップ、ヌード・フーズ・マーケット(Nude Foods Market)と提携し、同社初の実店舗で主要な決済方法に採用された。

ヌード・フーズ・マーケットの共同創業者ベリティー・ノーブルは「私たちはあらゆる種類の無駄が嫌いだ。従来型の決済技術では多くのプラスチックや紙、インクが無駄にされている。当社はハードウエアの必要性を断ち、環境や買い物客、当社の日々の店舗運営に良い影響を与える決済体験を作り出した」と述べた。

ミシペイはこれまで、アメリカン・エキスプレスやナウタ・キャピタル(Nauta Capital)、コマース・ベンチャーズ(Commerce Ventures)などの企業から1300万ドル(約15億円)近くのベンチャー投資資金を確保している。最後に行われたシリーズAの資金調達ラウンドは2019年に終了し、同社は約470万ドル(約5億4000円)を調達した。

翻訳・編集=出田静

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