世界第2の空港小売業者であるラギャルデール・トラベル・リテール(Lagardère Travel Retail)傘下のパラディース・ラギャルデールは、コードをスキャンして自己決済できるミシペイの社内開発システムを採用した。同社は、フロリダ州フォートローダーデール・ハリウッド国際空港とノースカロライナ州シャーロット・ダグラス国際空港の2カ所で同社の技術を試験し、成功させていた。
導入先の空港には、米国のアトランタ国際空港やダラス・フォートワース国際空港、ロサンゼルス国際空港、フェニックス・スカイハーバー国際空港に加え、カナダのバンクーバー国際空港やトロント・ピアソン国際空港など、利用者数が多い主要なハブ空港がある。
パラディースは、100カ所以上の空港でレストランを含め950カ所以上の店舗を運営し、そのうち26店舗でミシペイが提供される予定だ。同社のグレッグ・パラディース社長兼最高経営責任者(CEO)は、今回の拡大を「第2段階」と説明し、さらなる導入拡大の可能性を示唆した。
拡大の決定は、試験店舗での顧客満足度など複数の要因を基にしたものだ。顧客満足度は5点中、平均で4.85を記録し、アプリを開いた買い物客は90%以上が商品を購入していた。
ミシペイとアマゾン 空港小売ビジネスの奪い合い
小売業者の視点で見ると、ミシペイやアマゾンの「ジャスト・ウオーク・アウト(Just Walk Out)」などの支払いサービスを活用すれば、店舗スタッフがレジ対応以外の役割をこなせるようになる。顧客の商品選びを支援する時間が持てれば、販売数が増える可能性がある。アマゾンは、これをセールスポイントとしてきた。
しかし、両者には違いもある。ミシペイの非接触型のソリューションは、アマゾンのソリューション(デュフリー所有のハドソンなど、一部の空港店舗で導入されている)のように多くの機械を必要としない。