失敗の原因を究めることが組織を強くする

CEOがすすめる一冊「失敗の科学」


楽天証券は、社員たちが力を尽くしてくれたおかげで、もしトラブルが起こったとしても、それに向き合い、きちんとメスを入れられる、筋肉質な組織に育ってきたと思います。しかし、企業や人が前に進もうとすれば、失敗はつきもの。終わりはありません。

金融業界はいま、大きく変化しようとしている業界です。それはまるで、真っ白な大きいキャンバスに絵を描いていくようなもの。

だからこそ、私は、失敗を許容しながらそれを生かし、よりよく前に進めるような文化を組織に浸透させていくことが必要だと考えています。そして、明確な答えのないなかで、失敗と成功を繰り返しながら最適な答えを探し出し、新しい時代に必要とされる新しい金融を生み出していこうと思っています。

title / 失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織
author / マシュー・サイド
data / ディスカヴァー・トゥエンティワン 2090円 / 343ページ


マシュー・サイド◎1970年、イギリス生まれ。英『タイムズ』紙に執筆する第一級コラムニストであり、元卓球選手。オックスフォード大学哲学政治経済学部(PPE)を首席で卒業後、卓球選手として活躍。2度オリンピックに出場した。現在は、BBCで番組をもつなどコメンテーターとしても活躍する。

くすのき・ゆうじ◎1962年、広島県生まれ。広島大学卒。シカゴ大学にてMBAを取得。日本ディジタルイクイップメント(現・日本ヒューレット・パッカード)、A.T.カーニーを経て、DLJディレクトSFG証券(現・楽天証券)に入社。2006年より現職。楽天の常務執行役員も務める。

構成=内田まさみ

この記事は 「Forbes JAPAN No.087 2021年11月号(2021/9/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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