米CIA長官が「ハバナ症候群」問題でロシアに警告、米紙報道

米中央情報局長官 ウィリアム・J・バーンズ(Tom Williams-Pool/Getty Images)

米中央情報局(CIA)長官のウィリアム・J・バーンズは今月のモスクワ訪問の際に、ロシアの情報機関の関係者に厳しいメッセージを発し、米国の政府関係者が被害を受けている謎の症状「ハバナ症候群」の背後に、ロシアがいると判明した場合、彼らはその「結果」に直面することになると警告した模様だ。

ワシントン・ポストの報道によると、バーンズ長官はロシアの治安当局者らと対峙し、米国の外交官とその家族が被る被害が「許容できる範囲を超えている」と述べたという。匿名の関係者によると、長官はこの会話の中で明確にロシアを非難したわけではないが、ポスト紙は、長官がこの話題を取り上げたことが、米国がハバナ症候群がロシアの仕業だと信じていることを明確にしたと述べている。

ロシア側は、彼らがこの件と無関係であると主張しており、あるロシア政府関係者は先月、この疑惑は「ロシア嫌いのプロパガンダマシンによるフェイクストーリーだ」と述べていた。

CIAはポスト紙へのコメントを拒否し、フォーブスからのコメント要請にもすぐには応じなかった。

バイデン大統領は先月、ハバナ症候群の影響を受けた政府関係者への追加支援を指示する法案に署名した。政府は7月、かつてオサマ・ビンラディンの発見に貢献した職員に、この症状の調査を命じていた。

ハバナ症候群という名前は、この症状が、2016年にキューバのハバナにある米国大使館の職員らが初めて報告したものであることに由来している。職員らは、頭痛やめまい、視力低下などの症状を報告し、CTスキャンの結果、脳組織にダメージを受けた者が居ることも確認された。

この症状は、その後10カ国で約200人の政府関係者に広がっている。一部の専門家は、ハバナ症候群の原因が高周波エネルギーを用いた攻撃によるものだと考えているが、明確な原因は特定できていない。

編集=上田裕資

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